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16期生 福嶋 優

国立大学の研究成果に与える要因分析

 国立大学は中央教育審議会答申等で指摘されているように、「世界最高水準の教育研究の実施」、の役割を担っている。また、国立大学法人法に明記されているように、「我が国の高等教育及び学術研究の水準の向上と均衡ある発展」の役割も担っている。国立大学はこれまでこのような役割をその使命として果たしてきたが、これらの重要性は、資源の少ない我が国の成長と発展の原動力である「人と知恵」の最大の源泉として、今日、益々高まっており、各国立大学の機能の明確化とその確実な実現が強く求められている状況にある。
 本稿では上記の使命をもった国立大学の研究成果に与える要因分析を行う。日本の研究の大きな役割を担う国立大学の、研究成果に影響を及ぼす要因を明らかにすることは意義がある。それによって国立大学の研究力の向上、ひいては日本の研究力の底上げにつながると考える。
 分析にあたっては、研究成果を示す指標として専任教員一人当たりの論文数をとり、その論文数に対しどのような要因が影響を与えているか計量的に分析した。以下、第2節で本研究の参考となる先行研究を紹介し、それと本研究へのつながりを示した後、第3節では分析モデルと各変数についての説明を行い、仮説を提示する。第4節ではサンプルの対象とデータソースを説明する。第5節で分析結果を紹介したのち、第6節で締めくくりとして本研究の考察、課題を述べる。

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