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16期生 勝田 隆介

温泉地における外国人観光客集客要因の分析
―市町村別データによる実証分析―

 今後日本はどういう分野で成長してゆけば良いのだろう。
 日本での成長可能性、世界的な市場の成長性を考慮すれば、それは観光業である。特に海外から観光客を呼び込むインバウンド観光になるだろう。
 故に本研究では、どういった要因が外国人観光客を日本に呼び込むかを解明する事を目的として調査を行った。中でも外国人から押しなべて評価が高く、また日本各地に存在する観光資源である温泉地を基準として要因を分析した。そうすることでより特徴が際立ちやすいと考えた。よって温泉地を持つ市町村別でデータを取っている。また観光業を資源面と戦略面に区分けして考えることにした。つまり、ある地域が事前に持っている資源とある地域が事後的に行う戦略的なプロモーション活動の両面からどういった要因が外国人観光客を集客することができるのか考察を行っている。
 結論として、JNTO(日本政府観光局)を筆頭に国と上手く共同しながら観光政策に取り組むことが彼らを集客できる要因であることが分かった。類似して韓国限定とはなったが、市町村の海外拠点数が観光客数に正に有意の影響を与えていることから、自治体の海外地域における現地プロモーション活動が一定の成果を上げているということも確認できた。またこれも韓国からの観光客に限定されてはいるもの、近年になって新たに交通手段として加わったLCC(ローコストキャリア)の観光への好影響も見ることができた。残念ながら本研究で重視していた項目の一つである日本の観光資源(自然資源・建築資源・祭事)について意味ある結果を得ることはできなかったが、政策面における上記二点の事柄(JNTO・LCC)を持って近年行われている日本の観光政策が前進していること、地方と国とが共に観光という産業に取り組むことの意味を確認できたことは収穫であった。

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