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17期生 藤 拓也

Jリーグチームの経営についての実証分析
~今とるべき経営戦略とは~

 本稿ではJリーグが2ステージ制に代わってとるべき経営戦略についての検討を行った。各クラブの主な収入源は入場料収入と広告料収入であるから、この2つの収入についてそれぞれ分析を行うことにした。入場料収入については第一段階として各クラブの収入効率性を、入力を事業費、人件費、一般管理費の3項目、出力を入場料収入とする包絡分析法によって測定した。そして第二段階として、入場料収入の効率性を高める要因について5つの仮説を立て、それを最小二乗法によって分析した。一方広告料収入については、多くの広告料収入を得ているクラブの特徴について5つの仮説を立て、それについて最小二乗法で分析した。その結果、入場料収入効率性が高いのは、特に浦和レッドダイヤモンズ、ベガルタ仙台、アルビレックス新潟、大分トリニータ、ヴァンフォーレ甲府であるとの結果が示された。またその要因としては、ユース選手や地元選手の活躍、スタジアムまでのアクセスの良さが有意に働いていることが判明した。そして広告料収入を多く得ることについては、入場者数の多さ、企業出身のサッカー部であってその企業との関係を維持している事、サポーターから地域に貢献していると感じられていないクラブである事が有意に影響しているということが分かった。したがってJリーグのクラブにとっては、クラブライセンス制度が設けられたことも考慮すれば、下部組織の充実、地元選手の獲得やアクセスの整備から見直していくことで入場料収入効率性の改善に努め、安定的な経営基盤を築くことがまず先決であると考えられる。このような方針をJリーグ全体で推進していくことによって、Jリーグの掲げる「Jリーグ百年構想」もより現実的なものへとなっていくだろう。

 本稿ではJリーグが2ステージ制に代わってとるべき経営戦略についての検討を行った。各クラブの主な収入源は入場料収入と広告料収入であるから、この2つの収入についてそれぞれ分析を行うことにした。入場料収入については第一段階として各クラブの収入効率性を、入力を事業費、人件費、一般管理費の3項目、出力を入場料収入とする包絡分析法によって測定した。そして第二段階として、入場料収入の効率性を高める要因について5つの仮説を立て、それを最小二乗法によって分析した。一方広告料収入については、多くの広告料収入を得ているクラブの特徴について5つの仮説を立て、それについて最小二乗法で分析した。その結果、入場料収入効率性が高いのは、特に浦和レッドダイヤモンズ、ベガルタ仙台、アルビレックス新潟、大分トリニータ、ヴァンフォーレ甲府であるとの結果が示された。またその要因としては、ユース選手や地元選手の活躍、スタジアムまでのアクセスの良さが有意に働いていることが判明した。そして広告料収入を多く得ることについては、入場者数の多さ、企業出身のサッカー部であってその企業との関係を維持している事、サポーターから地域に貢献していると感じられていないクラブである事が有意に影響しているということが分かった。したがってJリーグのクラブにとっては、クラブライセンス制度が設けられたことも考慮すれば、下部組織の充実、地元選手の獲得やアクセスの整備から見直していくことで入場料収入効率性の改善に努め、安定的な経営基盤を築くことがまず先決であると考えられる。このような方針をJリーグ全体で推進していくことによって、Jリーグの掲げる「Jリーグ百年構想」もより現実的なものへとなっていくだろう。

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