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20期 岩崎 裕也

進学時の県外移動に関する分析
-都道府県と大学の双方の観点から-

 近年地方創生が社会的な課題になり、それにつれて県外移動に関する分析も 注目されている。しかし日本国内の分析は、海外と比較して大学ごとのデータ を用いた分析の数が少ない。そこで、本研究では都道府県データを用いたパネ ル固定効果分析と大学別データを用いたパネル固定効果分析を通じて、進学時 の県外移動に関して多面的な分析を行っている。都道府県データを用いた分析 の結果、1 人あたり県民所得は学生流入率に有意に正の影響を与え、全国学力 調査点数は学生流入率に有意に負の影響を与えていることがわかった。これら の結果は、学生が将来の就職条件を意識して進学する都道府県を決定している ことや、都道府県は優秀な人材を惹きつけるための施策を行う必要があること を示唆している。また、大学別データを用いた分析の結果、学部数と初年度納 付金、偏差値が都内進学者率に正の影響を与えることがわかった。これらの結 果は、各大学が自都道府県外から優秀な学生を集めるために現状とは異なった 施策を行う必要があることを示唆している。

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