template

Articles

22期生 森田 真由

スーパーマーケットの撤退要因

 本研究はスーパーマーケットに着目し、その閉店の要因を分析している。近年、高齢者等を中心に食料品の購入や飲食に不便や苦労を感じる人が増えている「食料品アクセス問題」が社会的な課題となっている。主要な食料品店であるスーパーマーケットの閉店要因を明らかにすることで市区町村が対策をとる助けとなることを目的としている。
 本研究の特徴は、「タウンページ」と「日本スーパー名鑑」を用い、個々の店舗を対象に、店舗ごとに毎年変化する説明変数を組み込んで分析している点である。国分寺市・小金井市・府中市の3市区町村を対象にCox比例ハザード分析を行い、以下の結果を得た。まず、スーパーマーケットの同業種間の商圏範囲は1000mであり、同業種間においては競合関係が示された。一方、コンビニエンスストアは競合関係が支持されず、ドラッグストアは競合関係であると示された。また、小規模の店舗の方が閉店しやすく、大規模の店舗は存続しやすいと示された。そして、店舗年齢は高い方が閉店しやすいと示された。しかしながら、立地要因や需要要因とスーパーマーケットの閉店の間に有意な関係性を得ることはできなかった。
 最後に本研究の課題として、競合関係にある店舗として大規模郊外店や地元小売店を含めていない点、近年のインターネットや宅配サービスの普及の影響をモデルに組み込んでいない点の2点があげられる。

Back