22期生 渡邉 大雅
フリーランスの働き方満足度と取引関係
本研究は、フリーランスとして働く人を対象として、取引相手数が働き方満足度に与える影響を実証的に分析した。また、その効果の大きさの違いを、職種・業種間で比較した。本稿では、用いるデータの調査対象者の中で、新規顧客開拓により取引相手数を増やす事が特に困難であると思われるクリエイティブという職種に注目し、それ以外の職種と比較を行う事で、取引関係が働き方満足度に与える影響の業種・職種における違いを分析している。分析に用いたデータは、リクルートワークス研究所によって実施されたアンケート調査「個人事業主(サービス業)の独立開業に関する実態調査、2004」である。この調査データを元に、働き方満足度を被説明変数として、順序プロビットモデルを用いた分析を行った。
本分析にて検証する仮説は、以下の通りである。仮説の下に、仮説の検証に用いる説明変数と予想される回帰係数の符号を記載している。
仮説1:フリーランス の働き方満足度は、取引相手数が多いほど向上する。
(「取引相手数」:+)
仮説2:クリエイティブ職種の比率が最も高い業種「その他」では、それ以外の業種の場合と比較して、取引相手数の増加によって働き方満足度がより大きく向上する。
(「取引相手数×業種「その他」」:+)
上記仮説はいずれも支持される結果となった。