23期生 川崎 暢己
東京ディズニーリゾートにおける待ち時間決定要因分析
テーマパークは人々の娯楽として非常に高い人気を誇り多くの客でにぎわっている。テーマパーク運営者は、より多くの人々が訪れるよう努力している。しかし多くの来園者が訪れれば訪れるほど生じることとなるのが、園内での混雑の問題である。混雑は来園者の不満の種であり、それによって満足度は大きく損なわれることとなる。したがって運営者は「多くの来園者を呼び込む」と同時に、「園内の混雑問題に対処する」必要がある。本研究では、アトラクションの待ち時間を二つの見方で捉え分析を行う。一つ目の捉え方は、消費者にとっての“機会費用”という捉え方である。来園者は乗車にあたって待ち時間を“支払っている”と言い換えられるため、消費者の満足度の指標となる。二つ目の捉え方は、運営者にとっての需要の指標という捉え方である。待ち時間は来園者の費用であるので、“支払意思額”を示すものとして「どれほどそのアトラクションに需要があるか」も示していると言える。株式会社オリエンタルランドが運営する東京ディズニーランドと東京ディズニーシーを題材として、待ち時間の変化から満足度や需要量の変化を考察する。具体的には「新規アトラクション優先乗車券予約システムによる利便性の向上」や「新規アトラクションの導入」による効果を探る。「ディズニーランドディズニーシー混雑予想カレンダー」よりアトラクションの待ち時間の約1年間分のミクロデータを用いて分析を行い、これら施策の影響を捉え、実際に行われたその評価を判断する。