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4期生 池田 威之

バブル経済崩壊後の企業の宣伝広告活動について

 言うまでもなく今日、メディアという一大産業を資金的に支えているのは広告産業である。また、ロサンゼルス・オリンピック以降、オリンピックやサッカーW杯など世界的なスポーツスポーツイベントを一躍ビッグ・ビジネスにしたのもメディアを利用した広告産業である。数十秒のCMに企業は莫大な広告費を投入し、あの手この手で視聴者の関心を引こうとする。なぜ企業は宣伝広告活動に励むのか?
 企業の宣伝広告活動というのは、ミクロ経済学の産業経済論の中では情報の非対称性の克服、製品差別化といった論点で取り上げられる重要なファクターのひとつと言える。
 企業は宣伝広告活動を通じて製品情報を消費者にシグナリングすることで、情報の非対称性を克服し売上に結び付けようとする。
 また、実際の企業マネジメントの中でも、企業によっては売上高の5%以上を宣伝広告活動費に当てる企業もある。それはつまりマネジメントの意思決定において大変重要な意味を持っているということになる。本論文はネルソンの広告理論を基に、企業が提供する財を探索財(消費者が商品を購入する前の調査によってその品質を決定できる財)と経験財(消費者が商品を購入する前に、調査によってその品質を決定できない財)に分類し実証分析を行う。バブル経済崩壊後、未だに低迷を続ける日本企業が理論的に正しい意思決定を行ってきたのか、宣伝広告活動の側面から検証しようとしたものである。

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