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5期生 大庭 彩

フランチャイズにおけるリスクシェアリングの実証研究

 本稿ではコンビニエンスストア、ハンバーガーショップなどで採用されるフランチャイズチェーン契約について、日本国内のデータを用いた実証分析を行った。フランチャイズフィー、ロイヤリティ、直営店方式とフランチャイズ方式の選択という3つの決定事項を被説明変数に、先行文献で提示されたフランチャイズ契約に関連する理論が実際のデータからどの程度支持されるかを検証した。
 フランチャイズ契約の実証分析はアメリカのデータを用いたものは広く行われているが、国内のデータを用いたものは少ない。今回は Lafontaine, F & Slade, M.E. (1997) “Retail Contracting: theory and Practice” (Journal of Industrial Economics, 45 pp1-25)を参考に、①資金制約要因、②フランチャイジーのモラルハザード要因、③フランチャイザーのモラルハザード要因、④リスク要因の4つについて検証を行った。結果は(1)資金制約要因とフランチャイザーのモラルハザード要因は理論を支持、(2)フランチャイジーのモラルハザード要因とリスク要因は不支持、となった。この結果は、少本恵照『フランチャイズ契約の実証分析』(1999 日本経済研究 38 pp1-24)と整合的な部分が多く、アメリカで行われた数々の実証分析の主要な結果とは、②のフランチャイジーのモラルハザード要因が支持されなかった点が異なっている。

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