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6期生 水谷 友紀

M&Aを用いた事業再構築

 本論文は、企業(または事業)の再構築、中でも、M&Aを用いた企業(または事業)の再構築に焦点を当て、回帰分析を用いた実証分析の手法を使用し、企業(または事業)の再構築が効果をあげているか否か、効果をあげているとすれば、それはどのようなものなのか、そしてなかでも、M&Aを用いた企業(または事業)の再構築は効果をあげているか否かを分析することが目的である。
 本論文では、企業(または事業)の再構築に関して、多角化から事業再構築・選択と集中へという流れが起きたのは1998年であると推定し、1998年以後のM&Aを取り扱う。また、分析の都合上、合併とその他のM&Aを分けて分析を行った。
 合併に関しては、1998年以後の合併案件に関して、合併後にシナジー効果を発揮しやすい状況に企業(または事業)を再構築できるか否かが経営成果を改善する鍵であると考え、実証分析を行った。この分析からは、企業が合併後に事業再構築・選択と集中を行っているが、結果がいまだ出ていないことを読み取ることができた。
 その他のM&Aに関しては、電機産業を対象に、事業再構築・選択と集中が効果をあげているか否かについて分析を行った。結果としては、電機不振の年と言われた2001年以降、選択と集中に取り組み専業化を行った企業は、有意に経営成果を改善していることが示された。また、専業化を行い、かつ子会社の整理・統合に取り組んだ企業、研究開発に力を入れた企業は経営成果を改善しているとの結果も示された。
 しかし、本論文で最も焦点を当てたM&Aを用いた企業(または事業)再構築に関しては、合併後の分析についても、電機産業の分析についても、ともに有意な結果は得られなかった。したがって、M&Aを用いた企業(または事業)再構築に関しては、現段階では有意な経営成果の改善は見られないと結論付けるを得ない。

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