6期生 山田 幸彌
情報技術導入の決定要因
情報技術は利便性や生産性の向上などのメリットがある一方で、それを使いこなすために高度の技術が必要であったり、多大な設備投資によるコストがかかったりと多くの問題がある。またリスク耐性のある大企業に比べ、中堅・中小企業は情報投資によるリスクを取ることが難しく、情報技術導入に二の足を踏むことが多い。
スーパーマーケット業界においては、80年代からPOSシステムの導入が進んだ。全国展開をしている大規模小売店がいち早く全店舗にシステムを導入したのに対して、地域密着で営業をしている中堅・中小チェーンは90年に入っても25%余りの企業がシステム導入をためらっている。
リスク耐性の低いスーパーチェーンに対して、POSシステム導入をうながす要因とは何であろうか。それは、企業規模や店舗数、商品数などの企業が持つ内生的要因と人件費、コンビニエンスストアやその他小売店との競争などの外生的要因が挙げられる。だが、これらの中堅・中小スーパーチェーンの中でもいち早く全店舗にシステムを導入した先駆的企業に関しては、上記の要因では説明できない。先駆的企業の特徴は経営者の能力であると予想できるが、それは今後の課題としたい。