8期生 小久保 有佳子
消費者意識行動と広告
今や広告を見ない日など無い。テレビコマーシャル、電車の中吊り広告、雑誌に掲載されている広告、インターネット上の広告・・・。これだけ大量の広告が出回っている中で、消費者は一体どれほど広告を意識しているのか、そして広告の中のメッセージをどう受け取っているか。
広告を、製品(企業)の細かい情報を掲載し消費者に伝えたいことが明確である製品情報広告と、製品(企業)の細かい情報が少なくイメージに重点を置き消費者に伝えようとするイメージ広告の2つに分類。これを基に、消費者が広告のメッセージを掴むというのは、イメージ広告ではなく製品情報広告によってその製品がどういったものなのかを理解しようとすること、消費者にとって本当に製品情報広告が有効であるのか?についてイメージ広告と比較し、製品情報広告で広告のメッセージを掴もうとする消費者がどういったタイプなのかを検証した。研究方法は、お茶に関する架空広告を作成しそれに関して被験者に回答してもらうアンケートを実施し、その集計を分析。
その結果、広告を2つに分類した場合、被験者にとって有効となる広告はイメージ広告であった、しかし製品情報広告が全く無視されているわけではない。それは、普段広告を意識してお茶を購入する人や普段静止画広告に最も多く接触していると思われる人にとって製品情報広告は有効、つまりこういった消費者がイメージ広告につられにくく、お茶という経験財においては広告メッセージを掴んでいる。
これからの時代、ブロードバンド化やテレビのデジタル化によって広告の機能も変わってくる。受身的に繰り返し広告を見ることが難しくなった場合、消費者にとってイメージ広告は本当に有効なままであるのか。1度で製品を知ってもらい購入に結びつける製品情報広告が消費者にとっても企業にとっても重要になるのかもしれない。広告量が多いイメージ広告だけが消費者にとって広告の判断基準ではないと言えるのではないか。そして大量広告ではなく効率性が重視されてくることで、無駄な広告費を削減することができ、企業はほかのことに投資できるようになるかもしれない。