9期生 木原 基宏
デジタルカメラ市場におけるオンライン店舗と既存店舗での価格考察
近年インターネットが私達の生活の中に浸透してきている。そういったインターネットの普及に伴い、Eコマース(電子商取引)の利用も拡大してきている。本研究で扱う最終消費者向けEコマース市場の規模は、平成12年から平成15にかけて5倍以上になっている。このEコマース市場の拡大が、従来の市場にどのような影響を与えているのかを本研究では分析する。
Eコマース市場は既存市場に比べサーチ費用が小さく、新規企業の参入が容易なため、競争が激しく効率的な市場だと考えられる。これよりオンライン店舗の方が①価格水準が低く②価格のばらつきが小さいのではないか、という二つの仮説をたてて実証分析した。分析の結果、オンライン店が運営しているサイトに表示されている価格と、既存店の店頭価格を用いると、仮説の通りオンライン店の方が価格水準は低いことが分かった。しかし、オンライン店の価格に送料・手数料を加え、既存店の店頭価格にポイントサービスを考慮すると、価格水準はほぼ同じという結果が出た。また価格のばらつきは既存店の方が小さく、仮説とは逆の結果が出た。
これらの結果から、Eコマース市場はまだ成熟しているとは言えず、現段階では既存市場の方が競争は激しいのではないかと考えられる。