シジュウカラ (スズメ目シジュウカラ科) 全長14.5p 留鳥
一橋大学で最も数が多く、年間を通してよく見られるのがこのシジュウカラです。国立市の市の鳥なのはそのためかもしれません。「ツピー、ツピツピ」と鳴きながらせわしなく動き回る姿は大学内に限らず、日本中どこででも普通に観察できます。ネクタイを締めたように胸から腹にかけて黒い模様がありますが、これは雄では太く雌では細くなっています。このネクタイの太い雄のほうが雌にもてるのだとか。
シジュウカラは秋・冬の非繁殖期にはエナガなどと混群を作って行動しています。「ジュリジュリ」とささやくように小さな声で鳴くエナガに比べ、「ツツピー」と大騒ぎするシジュウカラは、時にはバードウォチングの邪魔にもなってしまいます。聞きなれない声を耳にして声の主を探そうと躍起になっているときにも、頭の上で「ツピツピ」とはやし立ててちょこまかと動かれると、声はかき消される、ついそちらに目を奪われるで結局お目当ての鳥を見逃してしまうことになってしまうからです。「ええい、うるさい」と言いたくなることもありますが、色は綺麗で人なつこくかわいい鳥です。近付きすぎると「シュワワ」と警戒の声を出しますが、かといって逃げるわけでもなくこちらがしばらくじっとしているとまた大騒ぎを始めます。
姿の愛らしさゆえか、シジュウカラは絵画にも登場します。藤田嗣治の「猫のいる静物」(ブリヂストン美術館所蔵)で猫に驚いて逃げているのはこの鳥のようです。多少色が違うようなのでヨーロッパの亜種かもしれないと思い、英名Great
titでインターネットを検索しようとしたところ、「検索結果には成人向けサイトが含まれています」と表示されてびっくりしました。英和辞典を引いて納得、‘tit’には俗語で「乳房」の意味があるのだそうです。すぐに学名Parus
majorで検索しなおしたことは言うまでもありません。
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