南米の道路
(南米を車で旅行する方はお読み下さい)
我々の走ったコース
南米の道路は、日本の道路と比較して、非常によい道路と、ものすごい悪路とに分けられる。非常によい道路とは、戦後新しく建設された舗装路で、サントス街道のように真鶴の有料道路を一方通行にしたぐらい良いものから、普通に見られるアスファルト道路の状態のものまで7,218q中2,394q、約三分の一である。悪路の方は、車のあまり通ったことのないような山道から大平原の真中に作られた幅のばか広い道路予定地といった所が多かった。従って悪路といっても、日本のように穴だらけでスピードが出せないというような悪路ではなく、スクーターのタイヤが15センチももぐってしまう砂地が何10粁も続いたり、粘土質の道の上に厚くばらまいたままの砂利道が20粁も続いたりという悪路が多かった。以下僕等の走ったコースに従って述べる。
チリ
サンチャゴからアンデスのウスパラタ峠(4000米)への道は砂道で、山へかかると、1500米附近から道幅は極端に狭くなり、傾斜は10度近く、おまけに電光型の登りで、曲り角が完全なヘアピンになっているので、ニッサンキャリヤーでは曲り切れず通行不可能、一緒に大使夫人と他の方々の登ってきた57年のフォードがやっと登れるといった悪路であった。スクーターも曲り角へ来て速度を落とすと、急傾斜とぐづぐづした砂でスリップしてしまって、どうしても動いてくれない。仕方がないから車からおりて、ローでスロットル全開にして押し上げ15粁ぐらい速度が出てから飛び乗るという状態だった。そんなことを30回近く繰り返して海抜3200米の地点まで達したが、それ以上はエンジンにとっても僕等の体の方も無理だったので、そこから御夫人方の乗って来たハイヤーに乗り換えてしまった。僕等はアコンクアグアを見るために、峠まで往復するだけだったからよかったが、この道はアルゼンチンのブエノスアイレスへ続く大陸横断表街道で、今後ここを通過する方もあろうと思われるが、その際はもって行かれる車の選択には充分注意して戴きたい。又冬期の通行は絶対に不可能です。
チリ南部へはパンアメリカンハイウエイを南下する。舗装はサン |