職員集会所近くの保健センターの横道から、バナナエッセンスのような香りがかすかにしました。たどると、別館西側に生えるカラタネオガタマの木がありました。オガタマと同じモクレン科の木で中国原産の小高木です。香りが濃く、神秘的な雰囲気が漂っています。香りの源は花びらを紅色で縁どった黄白色の花々でした。キャンパス片隅での密やかな出会いがありました
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カラタネオガタマ |
バナナの甘い香りがする |
ひょうたん池から西へ、小径を散策すると、ガクアジサイが迎えてくれます。曇りの空でも雨の日でも、アジサイの花色は鮮やかです。その先は、今から40年前まで哲学の教鞭を執られていた太田可夫先生が、官舎と大学を通う道すがら、思索に耽った場所といわれる通称「哲学サークル」。緑が濃くなった落葉樹に囲まれています。
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ひょうたん池横に咲くガクアジサイ |
陸上競技場の南側にある第一ススキノゾーンでは、早くも秋の七草の一つ、キキョウが咲き始めました。キキョウはと秋を代表する草花ですが、栽培品種のキキョウのほとんどが、早咲きの種になってしまい、梅雨時の花になってしまいました。
第二ススキノゾーンではナデシコの花が咲いています。こちらもキキョウのように早咲きの品種だったのでしょう。原種のカワラナデシコは可憐だが強い日本古来の花です。日本女性に喩えられてきました。
植樹会恒例のイベント、「秋の七草鑑賞会」が、今から楽しみです
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キキョウ |
カワラナデシコ |
第二ススキノゾーンからさらに歩くと、雑木林でよく見かける大きなキノコが目立ちます。キャンパスの自然度はなかなかのものです。テッポウユリも見かけました。本来の野生種は九州以南に自生しますが、最近は広く栽培されるようになりました。大柄の花は梅雨のこの時期、貴重な存在です。
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見かけた大きなキノコ |
テッポウユリ |
キャンパスは春から初夏への「百花繚乱」は姿を消し、しっとりした佇まいです。心をゆったりと保ち歩いてみれば、意外な梅雨の彩りに出会え、四季の豊かさを味わえます。
佐藤征男(記)
写真:施設課 坪谷英樹 |