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初夏から夏

 初夏の花はサツキから始まります。サツキを前景とした時計台の風景はなんとも懐かしい風景です。連休明けには、クヌギやコナラの林にキンランやギンランが咲きます。キンラン、ギンランの開花が見られるということは、キャンパスの緑が武蔵野の面影を強く残している「記し」です。

サツキに時計台 貴重なキンラン
<サツキに時計台> <貴重なキンラン>

 雑木林にはエゴノキが、岸田ロードにはノイバラが白い花を咲かせます。野に咲く樹木の花が輝いています。

エゴノキ ノイバラ
<エゴノキ> <ノイバラ>

 日に日に緑が濃くなると、樹木の旺盛な生命活動を感じます。常緑樹のスダジイ(シイノキ)が花を大量に咲かせます。スダジイはこれから夏にかけて、緑陰を提供してくれます。 

大学通り 黄色くこんもりしたスダジイ
<大学通り> <黄色くこんもりしたスダジイ>

 さすがに梅雨のキャンパスは咲く花の数は少なくなります。キャンパス全体が雨のベールに覆われ、紗をかけたような佇まいになります。

雨にくすぶる時計台
<雨にくすぶる時計台>
 この時期、時計台前の中池のスイレンが毎年咲きます。水面に葉や花を浮かべています。印象派の画家クロード・モネの大作「睡蓮」を思い浮かべました。
時計台前の中池 今年も咲いたスイレン
<時計台前の中池> <今年も咲いたスイレン>

 ひょうたん池から西へ、小径を散策すると、ガクアジサイが迎えてくれます。雨の日でも、アジサイの花色は鮮やかです。その先は、今から40年前まで哲学の教鞭を執られていた太田可夫先生が、官舎と大学を通う道すがら、思索に耽った場所といわれる通称「哲学サークル」。 梅雨のこの時期、意外な梅雨の彩りに出会え、四季の豊かさを味わえます。

ガクアジサイ セイヨウアジサイ
<ガクアジサイ> <セイヨウアジサイ>
 陸上競技場の南側にある第一ススキのゾーンでは、早くも秋の七草の一つ、キキョウが咲き始めました。キキョウはと秋を代表する草花ですが、ほとんどが、早咲きの品種になってしまいました。第二ススキのゾーンではナデシコの花が咲きます。こちらもキキョウのように早咲きの品種だったのでしょう。植樹会恒例のイベント、「秋の七草鑑賞会」が、今から楽しみです。
キキョウ カワラナデシコ
<キキョウ> <カワラナデシコ>
 梅雨が明ける頃、キャンパスでは学生の姿を見かけるのが少なくなります。強い日差しがキャンパスを照りつけます。キャンパスの緑陰のありがたさが感じとれる季節の到来です。
夏休み中の西キャンパス
<夏休み中の西キャンパス>
 めっきり人気がなくなったキャンパスでサルスベリの花が賑やかに咲きます。特に東キャンパスのサルスベリが見事です。新学期、学生が戻る9月まで咲き続けます。
東キャンパスのサルスベリ サルスベリ
<東キャンパスのサルスベリ> <サルスベリ>

  

佐藤征男(記)

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