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レスター・ブラウン氏と一橋植樹会

5月号植樹会通信で予告したとおり、環境問題と啓蒙活動で著名なレスター・ブラウン氏を招聘しての講演会とシンポジウムが5月22日に兼松講堂で開催されました。大会は同氏の長年にわたる環境問題解決への努力と実績に対する一橋大学名誉博士号の杉山学長からの授与式で始まり、基調講演とシンポジウムが多数の聴衆を前に真剣にとり行われました。環境問題の現状と解決策に関する基調講演及び同氏の提唱する「エコ・エコノミー」などの詳しい報告は紙面の関係で別の機会に譲ることとし、ここでは一橋植樹会に関する同氏からの大変勇気付けられるコメントを紹介します。

シンポジウム終了後同氏の著書「プランB」のサイン会が行われ出席した市民・学生が長い列を作り、同志の活動に対する人々の関心の高さが証明されました。引き続き兼松講堂脇で記念植樹のセレモニーが行われ、レスター・ブラウン氏や田崎副学長、加納植樹会会長が協力してサトザクラの木を植樹し、同時に一橋植樹会の活動が報告されました。行事終了後の佐野書院で開かれた歓迎レセプションの席上、加納会長の歓迎挨拶に応え、同氏から次のようなコメントを頂き、関係者一同これまでの活動に対する「やってきてよかった」という充実感と将来に対する勇気と自信を強めることが出来ました。

同氏のコメントを要約すると;「キャンパスの環境保全に教職員・ОB・学生が一体となって取り組んでいるという例はこれまで見たことも聞いたこともなく大変感銘を受けた。この活動はまさに環境問題解決に取り組む活動の原点である。
ペンシルバニア大学で病院の患者の回復力に関する調査が行われたことがある。調査対象となった病院は病室の窓が緑の森の見える側と駐車場に面した側に分かれて建てられていた。手術後、緑に面した病室の患者と駐車場に面した側の患者の回復に要した期間は有意差を持って前者が後者より短かかった。この論理を大学のキャンパスに当てはめると、美しい緑に囲まれたキャンパスでの教育の成果はそうでない環境下で学ぶよりはるかに高いといえる。シンポジウムで寺西教授はじめパネラーの皆さんの環境問題に関する分析と提言の水準は極めて高く自分も気付かなかった視点もあり多くを学ぶことが出来た。
このような素晴らしい教授陣・職員、学生、卒業生達で支えられている大学から名誉博士号をいただいて一橋ファミリーの一員に加えていただいたことを大変誇りに思う。又ファミリーメンバーが一丸となって構成し活動する一橋植樹会のメンバーに自分もぜひ加えてほしい」

写真は同氏が一橋植樹会のメンバーとなった証拠として彼が残してくれた直筆による入会申込書です。環境問題はすでに解決の時間の猶予を与えてくれないほど喫緊の課題であり、全人類が協力してすぐに取り組まなければならない課題です。わたし達の小さな活動は、地球全体の問題を対象とするレスター・ブラウン氏の目にも、小粒ながらも大変勇気付けられるユニークな活動と映ったようです。皆さんのご理解とご協力を得て、植樹会の活動を、一橋大学の学業における社会への貢献と並んで、一橋大学のアイデンティティーを形成するコアの一端を荷うレベルにまで高められるよう関係者一同がんばっていきたいという思いを新たにした次第です。



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