ツバメ (スズメ目ツバメ科) 全長17cm 夏鳥
国立駅の旧駅舎にはツバメの巣がいくつかあり人気を呼んでいましたが、昨年その駅舎が取り壊されました。プレハブの仮駅舎となり、今年はどうなるのだろうと思っていましたが、4月上旬くらいから南口の改札付近や駅前のタクシー乗り場周辺などに新たな巣が作られ始め、今シーズンも無事に繁殖できたようです。つい先日も雛に巣立ちを促す親鳥の姿が見られました。駅改札前の人ごみの間をすり抜けて飛びまわるツバメを見ていると、人とぶつからないだろうかとハラハラしますが、彼らは動体視力も反射神経も抜群のようです。
ツバメというと、燕尾服などから都会的な洒落たイメージを持つ方も多いと思います。ところが、学名はHirundo rustica、「田舎ツバメ」といいます。ツバメは民家の軒先などのにぎやかな場所に営巣しますが、巣材の泥が集められる地域でしか繁殖できないため、確かに地面がアスファルトで覆われた都会には少ない鳥なのです。ツバメのさえずりは「土喰って虫喰ってしぶーい」と聞きなされますが、これは昆虫を食べ、巣材として泥を集める習性から生まれたのでしょう。
フランスの小説家ルナールは『博物誌』で、ツバメの飛ぶ様子を「直線を引いて、そのおしまいにコンマを打ったかと思うと、急に改行する」などと描写していますが、そのようなツバメの縦横無尽のフライトはキャンパス内のいたるところで見ることができます。
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