カケス (スズメ目カラス科) 全長33cm 留鳥
ごま塩頭と淡褐色の体に青・黒・白の翼。カケスはとても美しい鳥です。「黒くないカラス」は、オナガ・カササギ・カケスなど、みなお洒落な羽色をしていますが、どれも悪声なのが特徴です。カケスも「ジャー」とか「ギャー」とか「ジェイ、ジェイ」とうるさく鳴きます。この鳴き声から、英語ではカケスのことをJayと言います。日本語で「カケスのような人」と言うと、物忘れの激しい人のことを言いますが、英語でもJayは間抜けな人を指します。Jaywalkと言えば、交通規則を無視して道を渡ることを言うそうで、どうもカケス関係にはあまり良い言葉がないようです。
カケスはカシドリとも呼ばれるほど、カシ類などのドングリが大好きで、それらを冬場に備えて地面や樹皮に貯える性質があります。ところが隠した場所を忘れ、翌年それが発芽してしまうこともあるようです。そのような例からカケスは物忘れが激しいというイメージが生じたのでしょう。しかし、カケスのこの物忘れがドングリをつける木の分布拡大に一役買っているという報告がなされており、なかなか侮れません。また、カケスは他の鳥の声や物音を真似するのが非常に巧く、ウグイスやタカ類、果てはネコの鳴き真似をしたという話も聞きます。決して記憶力は悪くないようです。
学内では越冬のみで、年によって飛来数にばらつきがあります。昨年は数が多かったようで、学内のあちこちで声が聞かれました。兼松講堂の北側では数羽の群れも見られました。今シーズンもたくさん来てくれれば、と思っています。
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