http://www.wga.hu/art/b/botticel/5allegor/10primav.jpg (クリックすると大きい綺麗な絵が出ます)
春(プリマヴェーラ) 1482年
ボッティチエッリ画 (ポプラの板にテンペラ 203×314)
フィレンツェ、ウフィッツイ美術館
ルネッサンス最盛期15世紀にフィレンツェ(英語ではフローレンス)の画家ボツティチエッリが描いた。
古代の詩人オヴィディウス(BC43〜AD17)による神話「ファスティ」行事暦の世界。(諸説の中の一説)
青緑色の風の神ゼフュロス(最右)はニンフのクロリス(右から2人目)を追い、春の花の神フローラ(右から3人目)に変える。クロリスとフローラは同一人物で2つの隔たった時間が描かれている。
女神ヴィーナス(中央)の王国、500種類の植物、190種類の花が咲き乱れる。
ヴィーナスの息子アモル(クピド)(英語キューピッド)(ギリシャ神話エロス)は目隠しをして愛の矢を放とうとしている。
左手にはヴィーナスの侍女の3美神が輪舞を踊っている。
最左に絵の締めくくりとして、神々の使者 メルクリウス(英語ではマーキュリー)がいる。(前出庭園の像参照) (マーキュリーについてはクリックして見てください。)
メルクリウスは若々しい力に溢れた美青年で、鍔の広い旅行帽を被り、小杖カドケウスを持ち、翼の生えた靴をはいている。カドケウスで相争う2匹の蛇を引き離したので、以来この小杖は平和の象徴となった。カドケウスでヴィ−ナスの庭に侵入してこようとする雲を払っている。
こうして彼は雲一つない永遠の平和の支配するこの庭の守護者となる。メルクリウスが番人として杜を守っているのは、剣を見せつけるように帯びていることによっても強調されている。いつ何時でも敵を追い払う事ができるという印である。
この絵のメリクリウスのモデルはジュリアーノ・ド・メディチである。メディチ家の当主ロレンツォ・イル・マニフィコ(豪華王)の弟で、兄弟そろって襲われた際に、兄は逃れたが、かえって剣のたった弟は暗殺された。春の花の女神フローラのモデルは、ジュリアーノの恋人、シモネッタである。シモネtッタ単独の肖像画は丸紅が所蔵している。