件名 : 日経・経済図書文化賞
日時 : 2006年11月4日
中路(S32 年社 )です。
今年の「文化の日」には、
母校にとって「篠原三代平名誉教授の文化勲章受賞」という大変おめでたいことがありました。
母校からは、わが恩師「故増田四郎先生」の受賞につぐ、二人目の文化勲章受勲者でありますが、
今後も学問分野で盛名を馳せる方々が母校から陸続と輩出されることを期待したく思います。
その意味で、 11/3 の日経の朝刊で発表された頭書の経済図書文化賞五冊の中に、
一橋大学大月康弘教授の著書「帝国と慈善 ビザンツ」
が入っていることは増田ゼミの者にとっては大変嬉しいことでした。
実は、「十二月クラブ」のホームページの「 11 月 1 日更新」で増田ゼミ「しろう会総会」のことが取り上げられ、
大月教授が現役学生ゼミ生六人を連れて参加した様子が「写真入り」で発表された矢先でしたので、
今回の日経の発表が何か因縁があるように感じられ、特別の感懐を持った次第です。
十二月クラブの HP で、大月教授の颯爽たる姿を見て頂きたいと思います。
クリック
Subject: 日経・経済図書文化賞
Date: Fri, 03 Nov 2006
From: 中路 信
大月 康弘 様
貴台の著書「帝国と慈善 ビザンツ」が頭書の経済図書文化賞に輝いたことを心よりお祝い申し上げます。
今日は朝から増田ゼミ生間ばかりでなく、同窓生の間でこの話題で賑わい、鈴村教授の適切な書評も関心を呼んでおりました。
毎年の「しろう会」に出席いただいている貴台の今回の受賞は、我々全員老年層に入っている増田ゼミ生にとっても「わがこと」のように嬉しいことでした。
今後、「経済学の分野横断的の討議の場」での一層のご活躍を祈念しております。
11 月 3 日
しろう会 代表幹事 行木 陽一
会員 一同
日時 : 2006年11月4日
Date: Sat, 04 Nov 2006
From: OTSUKI Yasuhiro
中路先輩
メイル拝受。有難うございます。
今般の僥倖は、いつも申し上げさせていただいておりますように、まずもって増田四郎先生のご著作より賜りました学恩の賜物、と痛感しております。そして、常日頃より「しろう会」の諸先輩から賜っております暖かい御厚情と御声援あってこそ、と存じております。改めて、厚く御礼を申し上げる次第です。本当に有難うございます。
拙著がお伝えしたい、現代世界に伏流する基層文化としての「帝国の作法」について、鈴村先生からは達意の評稿をいただきました。
西洋世界がビザンツ帝国との一体性のなかに展開し、「近代社会」を産み落とした、と捉える姿勢は、三浦新七、増田四郎、渡邊金一、山田欣吾の諸先生が拓かれた研究観点です。これは、一橋が世界に誇れる、まさに掛け値なしの慧眼の地平と申せるかと思います。
この沃野を次世代に伝えることが、「中間世代」の私の務めと思っています。今回の受賞は、その意味でも、学内外に、先達の拓かれたこの途をアピールするよい機会になりうるか、と思ってるところです。
さて、先日、歴史家・木村尚三郎先生が、お亡くなりになりました。
この先生は、拙著を出版してくれた書肆の月刊PR誌『創文』の表紙裏に連載をされておられましたが、昨夏、編集者が拙著を御笑覧に供した際に、今回の受賞を予言されるような葉書を書肆に寄せておられました。
編集者は、先生が亡くなられた翌日に、この親書を持参して私の研究室までやって参りまして、『創文』表紙裏の連載をやれというのです。
木村先生のご遺言!という勢いで・・私もやむなく引き受けたのですが、今になって懼れています。この連載、「若い」木村先生もさることながら、その昔、務台理作、下村寅太郎、増田四郎、石井良助、串田孫一といった大先生方が執筆されてこられたコラムだからです。
今さらながら気の重さを感じておりますが、これも、増田先生が育て上げられた感の強い創文社からの有難い修行的仕事、とむしろ感謝しつつ、上に書きましたような観点から、少し務めて参りたいと思案しているところです。
ともあれ、今般、また常日頃賜っております御厚情に、重ねて厚く御礼を申し上げる次第です。今後とも何とぞよろしくお願い申し上げます。
忽々不一
大月康弘拝