戦前映画「ベンガルの槍騎兵」The Life of Bengal Lancer

    [なんと舞台はアフガニスタンではないですか。]          山崎 坦

昭和十年(1935年)の映画です。


私はまだ中学生でしたから、通常は映画鑑賞は禁止されていました。
 ただ映画によっては、父兄同伴ならば見ることが出来ました。
 この映画は母に引率をお願いして、日劇で見たのです。50銭。

 旧日劇は今では姿を消しております。
ラヂオドラマで有名な「君の名は」の舞台・数寄屋橋に独立した円形ビルでした。
現在の有楽町マリオンです。
現在はあのビルに5つもの映画館があり、その一つが日劇です。
昔は、隣に朝日新聞社屋がありました。


お目当ては、格好のいいゲーリークーパーの活躍だったと思います。

けれども今見てみると、
それはイギリスの植民地インド、
アフガニスタンとの国境に近い土地(デルヒ)に駐屯していた
英国の「ベンガル槍騎兵隊」第四十一連隊が
インド、アフガニスタンの酋族を征服したという映画(パラマウント、アメリカ)です。

劈頭に
「退役した騎兵連隊の将校と工兵隊の将校のアドバイスに感謝する」
と言う謝辞の字幕がでるのでドキュメンタリーかと思われます。
最後は
皆のために決死の活躍をして敵の拠点を破壊し、
戦友を生還せしめ、連隊に勝利をもたらしたけれども、
自分は戦死してしまったゲーリークーパー=マクレガー中尉。
3人の戦友と共に勲章が与えられる。
戦死した彼には、慣例により彼の愛馬に十字賞勲章が、英国国歌吹奏裡に授与されて、END。


少年は(私のこと)、クーパーの献身的活躍、戦死、勲章授与のお話に涙しました。


イスラムを制するはなしのようですが、ターバンをしているものはヒンヅー教徒ではないのでしょうか?


スコットランドのバグパイプの音色に似た笛で遊んでいるとコブラが出てきて危機一髪となったり、
インド(イスラムのようです)の敵将はオクスフォード出身で、
美女を使って英軍の若い士官を誘拐したり、
スリリングな戦闘場面など見所は沢山あります。
主演のゲーリークーパー扮するMacRegar中尉はスコットランド系カナダ人という設定になっています。

最後のシーン、平原に散開した騎兵連隊の突撃シーンは大スペクタルです。


昭和16年12月、私は、徴兵延期停止で大学を繰り上げ卒業させられて、
兵役に服せられ初年兵教育を受けた際、
毎日赤坂一ツ木から代々木錬兵場(今の代々木公園・NHK)の間を往復駆け足させられました。
歩兵の訓練だったから起伏に身を遮蔽するように匍匐させられました。
同じ錬兵場で騎兵隊も訓練していて、
騎兵の突撃を見ることが出来ましたが、
それには完全に圧倒されるすさまじいものでした。


映画の舞台となったあの辺は、
いまも昔と変わらず、
入れ替わり立ち代り主役が変わっても、繰り返し乱れております。
有史以来、未来永劫
争いのやまぬ地
なのでしょうか

解説・あらすじ  ベンガルの槍騎兵  
(1935)

 
Click
アフガニスタン
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イギリス連邦[旧イギリス植民地]

アジア

インド(1947年、旧称・英領インド帝国→英領インド連邦→インド共和国)
シンガポール(1965年、旧称・英領シンガポール(島)→マレーシア連邦シンガポール州)
スリランカ(1948年、旧称・英領セイロン(島)→セイロン)
パキスタン(1947年加盟、1972年脱退、1989年再加盟、1999年資格停止、2004年復帰、2007年資格停止、2008年5月復帰)
バングラデシュ(1972年、旧称・英領ベンガル(※英領インドの一部)→東パキスタン)
ブルネイ(1984年、旧イギリス保護国※正式国名はブルネイ・ダルサラーム国(ネガラ・ブルネイ・ダルサラーム)
マレーシア(1957年、旧称・マラヤ連邦→マレーシア連邦)
モルディブ(1982年、旧称・英領モルディブ諸島)


 ○映画の一分類
戦前の外国映画には一種の傾向がありましたので傾向別に分類してみました。