水田君の海外旅行記を読んで。
「学生時代に見た映画」から「ウイーン・ハンガリー」を思う。

                                        5組 山崎坦
Date: Mon, 22 Dec 2003

http://www.mercury.ne.jp/dec-club/doukou/20030913Mizuta.htm を見て ください。
HP「同好会」「海外旅行」にクラブ通信より(URLをクリックしてください)
「2003・09・13ウィーン・ブ ダベスト・デブレツェン」
3組 水田 洋君のー海外旅行報告ー
(上記URL)を収 録しました。

水田君の報告は一味違った興味深いものです。 ウィーンとかハンガリーには我々の年代の者は特別な関心を持っております。水田君 の手記に触発されて書き始めました。
MLメンバーの皆様からご感想を頂けたらと思っています。

私どもが昭和11年(1936年)、2・26事件のすぐ後に、予科に入学したのは 17/8歳のときでした。
中学生のとき単独鑑賞が禁止されていた映画鑑賞が解禁となり、それから映画鑑賞三 昧となりました。
最初に見た映画がウィーン映画「会議は踊る」(独・ウーファ1934)
                    「未完成交 響曲」(墺太利・ツイネ・アリアンツ1935)でした。

Der Kongress tanzt  会議は踊る
Kinemount-P-TOP ( クリック、ユウジという方が左記HPの'That's Entertainment'の項で、よく紹介してくれていますのでご覧下さい。)

あの映画の魅力の大部分は音楽でした。 ♪ただ一度 二度とない 若き日の幻♪  や ♪ヴィーンとヴァイン♪ の歌には今でも心震えます。

水田君は学者たちも行ったホイリゲを尋ねたそうですが,あの映画の王子と娘の密会 と音楽を思い出したでしょうに。 私がホイリゲに行ったときはジーチンスキー作曲「ウィーン・夢の町」を所望して、 シュランメルの美しいメロディーとヴァインに酔いしれたものでした。

ウイーンといえばシュトラウスがでてこなければ、というところだが、これまた予科 時代に見た、先日、EDからの便りにあってはなしあった、デュヴィヴィエの1938年のハリウッド作品「Great Waltz」(シュトラウスの伝記フィクション映 画)の中の数々の音楽、とくに♪One day when we were young one wondeful morning in May♪が懐かしい。 シュトラウスのワルツは音楽部で合唱したこともあった。(上記のHPご参照)

水田君手記に「ブダペスト発ウイーン行き急行レハール号に乗る」とある。ハンガ リーの作曲家レハールの作品オペレッタ「Merry Widow」は最高だ。ウイーン・フォ ルクス・オパが盛んに上演し、日本にも度々来た。先に故武川君が主催された例会で 元駐オーストリヤ大使が「日本大使館はフォルクスオパに定席をもっていて素晴らし い舞台をみている。メラニーホリデイ(アメリカ人・女優)はすばらしい」と話して いました。本当にそうなんですね。
そう、このオペレッタもアメリカMGM1934年エルンスト・ルビッチ監督モーリス ・シュバリエ、ジャネット・マクドナルド主演「THE MERRY WIDOW」を予科のとき 見ました。

明るい陽のあたる予科の教室、休み時間に、田舎出身のクラスメートが、メリーウイ ドウのメロディを楽しげに歌っていたのを思い出します。当時は、田舎から東京に、 一橋に合格して、出てきたのが嬉しくてたまらなかったのだそうです。(この映画解説も上記と同じHPにあります)

今頃のウィーンは何時まで経っても夜は明けず、と思っているともう日暮れというよ うに、白夜の逆ですね。
映画「たそがれの維納」(原題Maskerade=仮装舞踏会)1 935年もみました。。ウィーンは日がな1日たそがれなのです。「ブルグ劇場」1 939年もよかった。ウイーンの魅力は語りつくせませんね。ザッヒアトルテ。シュ ニッツレル。ニューイヤーコンサート。オペラ。スペイン馬術。ーーーー
(同上HP・’銀幕のたび’に沢山の写真があります。)
水田君の書かれた名所も含まれています。

私共としては、オーストリヤ学派経済学者に触れざるをえませんね。水田君の記事に 「ホイリゲで労働価値論争?」というところがあります。私共は実業の世界で主観価値説に教えられるところが多かった。技術屋さん?がたが原価即市場価額が通る積りの考え方で生産を過剰にするので往生しました。

○ハンガリー

もうひとつの映画「未完成交響曲」(原題 Leise flehen meine Lieder)原題は あの美しいセレナーデの詩からですね。 このフィクションではシューベルトはハンガリー・エステルへージ家の令嬢の家庭教 師として、ハンガリーに赴きます。令嬢(マルタエゲルト)が初見でセレナーデを歌 いだすところが印象的でした。
シューベルトのリードは美しいですね。 (この映画に関しては別途詳細に語り合いたいです。)
http--www3.starcat.ne.jp-~nisak-leise_flehen.html をクリックして見て下さい。未完成交響曲の紹介です。leise-flehen以下を削って見てもこのホームページは素晴らしいものです。
水田君の書いていたムンカチに関しては「リストがハンガリー狂詩曲第16番を歴史画家ミヒャエル・ムンカチへ献呈」との記事をみつけました。 ハンガリー観光局(http://www.hungarytourism.huクリックすると出ます。)ちょっと読みずらいですが英語 でHistoryをみると、ハンガリーは元来ヨーロッパの中の東洋人の国。私共の学生時代にはオーストリヤーハンガリーといわれていました。オスマントルコ、ハプスブル グ、ナチスドイツ、ソ連などに侵略され独立の悲願を持ち続けました。
同局所謂観光案内 (http://www.hungarytabi.jp/index2.htm)クリックすると出ます。日本語。
水田君が書いていた「自国の歴史についての知識がないのだ」はこの辺のことかと思 いました。
あの映画「未完成」では酒場でハンガリー舞曲というか、民俗音楽で楽しく踊る場面がありまし た。
ルイ14世も絶賛したトカイ・ワインに酔いしれながら?エゲシェゲラ!
そしてプスタ(草原)におけるシューベルト(ハンスヤーライ)とカロリーヌ姫(マ ルタ・エゲルト)のたわむれ。
−ーーわが恋の終わらざる如く、この曲もまた終りなかるべしーーー
田園道端のマリや像、アベマリヤの曲を聞かせたかったのか?カソリックの国(のな かのプロテスタント都市・デブレツェン)?
水田君の案内でこの旅は興味深いもの・格調高きものだったに違いない。以上