森林インストラクターとは
森に入り、時に立ち止まり、さまざまな植物と昆虫、野鳥、動物たちの営みをよく観てみる。それぞれの生き方を感じとることができます。その営みを観るほどに、知るほどに、生命の懸命な展開と躍動に心打たれていく。武蔵野の面影を残す緑豊かな我が国立のキャンバスです。そこで植生管理の汗を流せば、命あるもののダイナミックなドラマに遭遇できるかもしれません。「森林インストラクター」はそうした感動を伝える森林のインタープリター(翻訳者)でもあります。
私は今年から植樹会では二人目のインストラクターとして活動することになりました。一人目はというと、関統造理事(如水会事務局長でもある)です。そもそも私が森林インストラクターを目指したのは、如水会館での関さんの講演がきっかけでした。今から二年前のこと。講演のテーマは「国立の桜の現状と対策」でした。エドヒガンとオオシマザクラの交配種といわれるソメイヨシノ、クローン種であるこのサクラの寿命の短さと植え替えの難しさに耳を傾けながら、私は自然の営みの奥深さを感じました。そこでの関さんの肩書「森林インストラクター」とは何なのか、早速調べてみたのです。
「森林インストラクター」とは平成3年度に農林水産省認定の資格試験としてスタートし、現在では(社)全国森林レクリエーション協会へ依託された資格試験に合格し、協会に登録することで認定される称号のことでした。時間はなかったがチャレンジすることにしました。1次試験は「森林」「林業」「森林内の野外活動」「安全と教育」の4科目。最難関の科目は「森林」で、樹木の形態と仕組み、森林生態系、森林土壌、森林に棲む昆虫、鳥類、哺乳類、菌類など幅広い知識が必要です。樹木も200種以上識別できるよう、樹形、樹皮、葉、花、果実、分布域、材利用など特徴を覚えなければなりません。暗記にとどまらず、知識として身につけるため、札幌の植物園にいき、エゾマツやアカエゾマツ、トドマツなどを観察、頭にたたき込んだりしました。そして二年越しで昨年1次試験に合格、実技が中心の2次試験も通過しました。今回の試験には全国で約2000人の人達が受験、240人もの人たちが合格したようです。
現在1800人ほどのインストラクターが全国で自然観察、森林ガイド、林業体験、野外キャンプなどの野外活動の指導者として活動をしています。新人の私も、植樹会で福嶋先生と関先輩の指導を仰ぎながら、格好の実践の場として、国立キャンバスで汗を流していきたいと思っています。
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