サルスベリ
真夏、東キャンパス丸池の中央の植栽地にけなげに咲くサルスベリの花が目立つ。花は暑い盛りから秋まで、百日紅の別名の通り百日に渡って咲き続ける。このあたりメタセコイアやアカマツの高木に混じって、キャンパスを彩る花木としては、初春は断然ウメの花が目立っていた。そして夏ともなればサルスベリの花。だからかつては力強く咲いていた。
ところが近年、丸池周辺は管理が行き届かず、薄暗くなり、サルスベリも周りの樹木に圧迫され気味だった。枝が横へ横へと伸びた。花が咲いても、どうもさえなかった。
サルスベリはミソハギ科サルスベリ属に属し、中国南部原産である。江戸時代以前に渡来したといわれる。花は直径3−4センチで、群れて咲く。一つ一つの花をよく観ると、花弁は縮れて波打っている。雄しべはたくさんあり、周りの6本が長くなっているように見える。群れても一つでも美しい。樹皮に特徴があり、淡い紅紫色で、薄く皮が剥げ落ちる。すべすべしていて、いかにも猿が滑りそうである。枝がくねくね伸び、独特の雰囲気があり、庭園樹として人気が高いのもうなずける。
6月の植樹会作業で顧問の福嶋先生の指導の下、辺りの樹木の不要の枝を切り払った。さらに先月業者が手を入れ、さらにすっきりとした佇まいとなった。出番を待っていたかのように、今年は鮮やかに花をつけた。夏の主役に復帰した。
今後は周囲をドウダンツツジで囲い、さら整理されるという。シンボルツリーのメタセコイアに寄り添い、サルスベリは夏の花木としてますます大事な役割を果たすことになる。
佐藤征男(記)
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