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キンモクセイ

 

キンモクセイは普段は目立たない常緑樹である。キャンパスに桜紅葉が目立つようになる頃、突然、芳香が漂い、キンモクセイの存在をあらためて意識する。西キャンパスの本館前、兼松講堂の西側など、ところどころに植栽されていて、咲き始めは特に強く香り、秋の到来をあらためて意識するのである。

キンモクセイは中国原産で、日本には雄株しか渡来していないので、種子はできない。挿し木や接木で増えるクローンである。だから花は同時に咲き揃い、一斉に香るのだろうか。主に庭木として観賞用に植えられている。秋になると小さいオレンジ色の花を無数に咲かせ、芳香を放つ。しかし香りは長くは続かず、せいぜい1週間といったところか。

「金木犀」の「犀」は動物の犀のことで、樹皮の皮目が犀の皮に似ていることによる。「金」があれば「銀」もあるわけで、「銀木犀」は「木犀」の基本種、ギンモクセイ(桂花)である。日本ではめったに見ることができないが、東京では新宿御苑で見事な枝振りのギンモクセイ(銀木犀)を見ることができる。花色はキンモクセイより明るく、芳香は強くはないようだ。キンモクセイの香りは甘めで強い。その香りを化学的に合成してつくった芳香剤は、20年位前までは人気商品であった。トイレでキンモクセイの香りがしたのである。その結果、キンモクセイの花の香りをトイレの匂いと勘違いする子供たちが続出した。そうした子供たちが、ちょうど今、学生となってキャンパスを闊歩している。キンモクセイの香りをどう感じるか、彼らに聞いてみたい気がする。

香りが漂うことがなくなると、キャンパスの秋は次第に深まっていく。カエデのなかまが紅葉し、イチョウか黄葉する。秋空の下、キャンパスをゆっくりと散策したくなる季節の到来である。

佐藤征男(記)

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