キジバト (ハト目ハト科) 全長34p 留鳥
「ハトって大群でいてなんだか怖いし、フン公害の元凶で汚いし…」とおっしゃる方がいらっしゃるかもしれません。それはドバトのことです。都市部で増えてさまざまな問題を引き起こしているドバトは、ユーラシア大陸に分布するカワラバトを家禽としたもので、レース鳩などに利用されていたものが野生化してこのように増えてしまいました。家畜化された最も古い動物の一つとされ、日本でも平安時代から「いえばと」として知られていたそうで、白・灰色・茶色などいろいろな色彩をしています。
これに対しキジバトは「やまばと」とも呼ばれ、以前は山野の鳥でしたが、今では都市部に進出しドバト同様都会の鳥となっています。私自身も西国分寺駅と地元の柏駅構内でドバト然と電線に止まるキジバトを目撃したことがあります。人をあまり恐れず、人工の建造物にも巣をかけるようになってきています。ただ、ドバトのように大群になることはなく、大抵は1・2羽で暮らしています。ブドウ色を帯びた灰褐色の体、頸には黒と青灰色のうろこ状の模様と、よく見るとなかなかお洒落な鳥です。
大学内ではドバトは少ないのですが、キジバトは一年を通じて至る所で観察できます。シジュウカラに次いで数が多いようです。木の上で「デーデーポッポー」というのどかな声がしたと思うと、地面に降りてつがいで黙々と餌を探していたりします。冬のある日の午後、兼松講堂脇の庭園内のベンチで本を読んでいると1羽のキジバトが近寄ってきました。双眼鏡で覗くこちらを大して気にもせずに餌を探して歩き回っていましたが、急に陽だまりに座り込みました。片方の翼と尾羽を広げてふせて、赤い目が次第に閉じて…。どうやらお昼寝を兼ねた日光浴だったようです。昼食後に眠たくなるのは鳥も人も同じなのかもしれません。
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