第1部 通学交通の特徴


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第2章 通学交通の特徴

1. 通学者数の傾向

近年の少子化の影響で、通学者数は減少しており、これからもこの傾向は続いていくと見られている。 たとえば東京圏について見てみると、 2015年の就学人口が1995(平成7)年のそれ(560万人)と比べて20.6%減の445万人になると予想されている。

また、学校週休二日制により、土曜日は部活動以外で学校に行くことがなくなった。 したがって以前よりも土曜日の通学者数は減少しているものと思われる。

2. 学生の利用する交通手段

学生が利用することのできる主な交通手段は、鉄道、バス、自転車、徒歩である。 なかでも、鉄道と自転車、バスと自転車、自転車のみによる通学など自転車が一般的によく利用される。

大都市部では公共交通機関が非常に発達しているため、鉄道、バスといった公共交通を利用する通学者が多い。 一方、地方都市では、公共交通機関が元々未発達な上に衰退が進んでいるため、車がなければ生活できない状況となっており、 自動車の普及率が非常に高くなっている。 そのため、保護者の車による送迎も見受けられる。

3. 交通弱者としての学生

学生は自分で車を運転することができない。 したがって学生と車を使える人との間にはモビリティ格差が生じている。 車が使えない等の理由でモビリティが制約されている人は交通弱者や移動制約者と呼ばれる。 学生はまさに交通弱者なのである。

4. 学生と公共交通機関

学生は車が使える人に比べて公共交通機関への依存度が高いということができる。 したがって公共交通機関に影響が出るとその影響を大きく受けてしまう。 たとえば、公共交通機関が廃止されることになると、交通手段の変更を迫られることで通学費が増加したり、 交通手段が何もなくなり下宿しなければならなくなるといった費用の増加によって、進学したい学校に通学できなくなり、 他の学校に進学するとか、進学自体をあきらめるといった学校選択の上での制約ができてしまう。

5. 通学と天候

自転車が主要な交通手段となっている学生にとって、雨や雪といった悪天候になると、 自転車が使えずバスなどに頼らなければならなくなる。 そうなれば通学費が増加し学生の負担が増加する。 このように学生は天候の影響を受けやすい。

6. 通学難

朝夕には通勤客と通学者が集中して移動しようとするので、輸送力が不足し、学生はラッシュに巻き込まれてしまうことになる。 これは全国的に見られることであるが、特に大都市部ほどひどく中でも東京が最もひどい。 東京圏の鉄道ラッシュ時の混雑率は183%(1998(平成10)年時点)であり、以前に比べると改善されているものの、 路線によっては200%を越えるところもある。 また、都心部での土地価格の上昇によって、多くの人が都心から郊外へ移り住んだことで、通学時間が遠距離化・長時間化した。 東京圏の平均通勤・通学時間は70分となっている。 図1-2-3は通勤のみのデータであるが、これは通学についても同じことが言えると思われる。 これが混雑に加わって通学の辛さに拍車をかけている。 大都市部の学生にとって通学は不快なものとなっている。

7. まとめ

以上述べてきた通学交通の特徴を箇条書きにしてまとめておこう。


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Last modified: 2003.2.4

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