花 と 星
送信者: "Edward Chang" 5組 張漢卿君十二月クラブMLより
日時 : 2006年3月24日
トロントではやっと雪が溶けきって、「何処かで春が生まれてる」の感がしますが、戸外に咲く花はまだ見当たりません。その意味でHPに載せられた数枚
の花の写真は、心の粮として一枚ずつ鑑賞しました。
色彩感と言い、構図と言い、ともに優れた写真で敬服しました。
花の好きな貴兄が「年々歳々花相似」(クリック)の古詩を愛誦 する心境は良く判ります。
この詩の美しさは古今 東西の隔てを乗り越えて、ひしひしと人の胸を打つものがあります。
それにつけて思い出すのは、DCHP「新論文 随筆」 <2004>に掲載させて頂いた小文「絵で見るドイツ」(クリック)に見えるように、カント没後200年を記念 してDer Spiegel誌が、彼の絵を表紙にしました。
それについて小生が以下のような注釈を付けています:
* アタッチメント(1): 偶々本日(2004 /2/12)は、哲学 者 > インマヌエル.カント 没後200年忌に当たるとのことで、彼の思想、業績、影響
などについて15ページの概説が有るほか、表紙にこの絵が出ていました。
「わが 頭上には星煌めく空、わが心には道徳の規範」というカントの言葉を掲げておりま す。
ところで先日同じく「新論文 随筆」<2006> にご転載された 「橋問叢書 特別第一号」(クリック) の中で、馬場 敬之助名誉教授が左右田喜一郎博士の論説(大正1 4年:1924)を以下のように引用しております:
「カント(1724?1804)の永き八十年の生涯は唯だ 『頭上にあっては星空、身内にあっては道徳律』
(Der bestirnte Himmel uber mir
und das moralische Gesetz in mir)の一句に其の結晶を見出す。
吾等は此の一句によりてカントの学問及び人格の偉大と尊厳とに百代の師表とする所以を容易く見出すであらう。
余は年と共にカントの偉大さを此の一句の裡に感得するを弥や増すの情を禁じ得ない」
優れた詩人の名句、優れた哲学者の名言は、ともに時代と空間を超越して、人の心を動かすものが有ります。
貴兄の並々ならぬ努力のお蔭でDCHPが、かくも意義 深い論壇になったのは、まことに同慶の至りです。
ED