2001年度

2001年度の三商大ゼミは一橋大学にて12月1〜2日に行われました。
各ゼミのレジュメをここに公開します。
三井ゼミ(神戸大学)
高田ゼミ(大阪市立大学)
後藤ゼミ(一橋大学)

「三商大学生討論会・刑事訴訟法 弁護人の役割」法学教室258号(2002年3月)に討論会の様子が後藤先生によって紹介されています。そちらもあわせてご参照下さい。
2001年度の問題は下記の通りです。

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2001年三商大討論会 刑事訴訟法問題  出題:後藤 昭

1. 弁護士Aは、一家3人を殺した疑いで逮捕・勾留されたXの扶助弁護人となっている。Xは、捜査官に対してまだ何も供述していない。Xから、取調べに対して供述をするべきかどうか相談されたAは、どうするべきか?

2. Xは、3人に対する殺人罪で起訴された。
 1)国選弁護人Aは、検察官請求予定の証拠を検討して、有罪判決の可能性が高いと判断した。しかし、XはAに対して、自分はやっていないという。Aは、どうするべきか?

2)Xは第1回公判期日に、公訴事実を否認した。Aは、「弁護人の意見も同様である」と述べたが、検察官による参考人の供述調書および被告人の自白調書の取調べ請求について、すべて「同意する」と述べた。裁判所は、どうするべきか?

 3)Aは、Xの責任能力に疑いを持った。しかし、Xは罪を認め、精神鑑定の申請に反対したとする。Aは、どうするべきか?
 
3.弁護士Bは、業務上過失致死罪と道路交通法違反(救護義務違反)で起訴された被告人Yの国選弁護人である。
 1)YはBに対して、「自分も乗っていたが、運転していたのは自分の一人息子Sである。しかし、自分が罪をかぶりたい」という。その話が本当らしいとき、Bは、どうするべきか?

 2)Bが、Yの有罪を前提にした弁護活動をしたとする。具体的には、Sを事故当時車に同乗していた証人として尋問し、被告人質問でYに反省を語らせ、情状中心の弁論をした。Bに刑事責任は生じるか?

4. 強姦殺人罪で起訴されたZは、かなり疑わしかったが、国選弁護人Cの巧みな弁護活動の結果、無罪判決を受けた。無罪判決が確定した半年後に、Zは前に起訴された事件とよく似た強姦殺人を犯し、有罪判決を受けた。ある評論家はCを非難し、犯罪者を無罪にするような活動に税金を使うべきではないと主張した。これに対して、あなたはどう答えるか?