陸上競技場南東側では日本の草が秋を彩る。
この辺り、もともと帰化植物が多く季節感がなかった。
そこで緑地基本計画に則り、一昨年春にオミナエシとフジバカマが移植された。
この後大分県久住高原からススキやマルバハギもやってきた。懐かしい秋の草原が出現した。植樹会による手入れが定期的に行われたせいか、この秋オミナエシは勢いがいい。
オミナエシは日本原産の多年草で日本各地に分布。日当たりのいい山野の草むらや土手に自生する。以前は野生を見かけたが、最近は野生を見ることが少ない。
オミナエシの語源は「女飯(おんなめし)」と云われ、その米粒のような小さな花を飯粒になぞらえ、美しい黄花を女子に見立ててつけられたらしい。
女郎花の名は万葉集では見られない。女郎花と書かれるようになったのは延喜年間(901〜922)頃からだという。
わが里に今咲く花のおみなえし
堪へぬ心になほ恋ひにけり 作者不詳(万葉集巻十―2270)
この歌では「おみなえし」とは娘のこと。
「あの娘もいま娘盛りとなった。私は堪えられないほど恋しく思っている」といった意味合いだろうか。
キャンパスのオミナエシも今盛りである。会いに行ってほしい。
佐藤征男(記)
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