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ウメ |
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キャンパスには西は本館前の紅梅、兼松講堂前の白梅、そして東キャンパス本館前の紅梅とシンボリックな建築物にアレンジされている。ウメの花はロマネスク様式の建築物にもよくマッチする。 ウメはバラ科サクラ属の落葉高木。中国原産で、奈良時代に薬用として導入されたという。日本で古くから栽培されていた。万葉集には110首にもなるウメの歌が載っている。ハギに次いで多い。中国では春の花木の代表といえばウメ。中国文化の影響を強く受けた平安貴族もウメを愛好した。 花が目立つが、屈曲した枝振りが味わい深い。くねくね曲がった太い枝を横に広げる。剪定すると、そこからほぼ真上に伸びる枝が多数出る。この勢いのいい枝が特徴。サクラは切ると弱りやすく、そういえば「サクラ切る馬鹿、ウメ切らぬ馬鹿」という。 300種を越える園芸品種は通常、野梅系、紅梅系、豊後系、杏系の4タイプに分類される。中国から渡来したウメの子孫といわれる野(や)梅(ばい)系はそろって花の香がよい。白加賀は野梅系の代表。原種の梅の花は一重で白かったのであろうか。紅梅系は花の色が赤いものや八重が多く、そうした観賞用のウメを植えているのは梅園である。豊後系はウメとアンズの雑種で主に実の採取をする。実を採る梅を植えているのは梅林で、南高など白花が多く咲き揃う。ウメの果実は梅干し、梅酒などに利用され、各地で栽培されている。和歌山県の田辺市付近などが栽培の名産地である 早春に咲く花は結実するためのリスクが大きい。キャンバスにウメの花の受粉を媒介するハナバチはいるのだろうか。いなければウメの花はあだ花となる。越冬している成虫の存在は大きいなと思いつつ、寒風の中を歩くのもいい。 佐藤征男(記) |
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