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コブシの花 |
コブシは里に春を呼ぶ植物として歌にも歌われる。サクラより先に咲く。すでに冬芽はビロードに覆われ、花芽の冬芽は大きく膨らんでいた。3月中旬、キャンパスでついに甘く香る白い花を、梢いっぱいに咲かせた。葉が展開する前に白色の花をつけるので、満開になると木全体が白く見える。
花びらは6枚で、中心は赤味を帯びる。顎片は3枚で花弁とよく似ているが小さい。だから花びらは6枚に見えるが、顎が大きいと花びらがたくさんあるように見える。
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ハクモクレンの花 |
ハクモクレンはモクレンよりやや早い時期に乳白色の花を一気に咲かせた。
古くに原産地中国から伝えられた園芸種。うねるような枝を横に張る。真っ白な花はコブシと似るが、咲いてしばらくはチュリップ状の花形で、花びらはコブシの花より大きい。
コブシの花には6枚の花びらがあるが、ハクモクレンは花びらも6枚。ただ、顎がコブシと同じく3枚だが大きく、花びらが9枚のように見える。
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モクレンの花 |
ちなみに、モクレンは紫色の花を咲かせる種のことである。和名は漢名の木蓮であるが、紫木蓮(しもくれん)とも呼ばれる。白い花を咲かせる「白木蓮」と区別するために、あえて「紫」を「木蓮」につけた思われる。
モクレンの花が咲けば、いよいよ春本番である。キャンパスにソメイヨシノが、シダレザクラ、サトザクラが次々と春を謳歌する。
佐藤征男(記)
写真:一橋大学財務部施設課 坪谷英樹
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