もし人の手が入らなければ、国立キャンパスを含めて、関東近郊にはシラカシやスダジイ、タブノキなど常緑広葉樹中心の森ができるといわれています。これらの樹木の葉は厚く強く、日差しを照り返し輝くので、照葉樹とも呼ばれます。これら照葉樹の生える森を関東の「土地本来の森」「ふるさとの森」と呼ぶ学者もいます。
「本来のふるさとの森」を彷彿とさせるシラカシの林が、陸上競技場の東側にあります。ヤブツバキも植えられていて、ちょっとした照葉樹の連なりです。
|
|
陸上競技場東側のシラカシの林 |
シラカシは葉が光を照り返す「照葉樹」 |
シラカシの幹はまっすぐ伸び、ここキャンパスのシラカシの樹高は15メートル以上ありそうです。樹皮は黒色で、なめらか。材は比重が0.8以上で時には1.0、水に沈むくらい重いものがあり、強く良質で、農具や大工道具の柄、木刀等に使われています。
|
黒くてなめらかなシラカシの樹皮 |
花は5月に咲きます。雄花の花穂は枝からたくさん垂れ下がり、雌花の花穂は小さく枝の先に直立します。その雌花に秋、ドングリが稔ります。ドングリは長さ1.5〜1.8センチで小さく、お椀(殻斗)は6〜8の環があるのが特徴です。今年も大量のドングリが撒かれています。植樹会では大学祭に出展し、森のクラフト教室で、シラカシやコナラ、クヌギのドングリをクラフト材料として大いに活用しています。
|
|
雄花の花穂 |
ドングリのお椀には6〜8個の環がある |
この秋、小さな「ふるさとの森」、西キャンパスのシラカシ林を是非散策してみてください。
佐藤征男(記) |