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アカマツ

アカマツは身近な木です。武蔵野の面影を感じさせる木です。長年落ち葉を掻き、柴を刈ったりしていると、乾燥したやせ地になります。集落などの裏山に多いのは、そこに乾燥と貧栄養に強いアカマツが生えてくるためです。アカマツは貧しい環境でもしっかり根を張り、樹冠を空に伸ばす一本気な樹木です。若いうちは円錐形の樹形をしていますが、老木になると傘を差したように上部が扁平になり、独特の樹形になります。そうした樹形のアカマツがキャンパスには多く見られます。

うねりながらも上へ上へと伸び、高さ25mにもなります。高い幹は図書館の時計台と相性がよく、緑の葉と赤い幹が直線的な建築に調和します。
時計台とアカマツ 時計台にはアカマツが似合う

一定の間隔で植栽されたアカマツ アカマツの回廊

図書館南側にはアカマツが意図的に植栽されているようです。アカマツは裸地にいち早く進出して、いち早く成長する陽樹です。逆にアカマツは競争力が弱いため、普通の森にはほとんど侵入できません。里山などが荒廃すると、はげ山になった裸地に生えることができる樹木なのです。だから、アカマツの山は、かつてそこで激しく人に利用されていたことを物語ります。しっかりと植生管理されたキャンパスに生えるアカマツは安定して生育できます。ここはちょっとしたアカマツの回廊になっています。整備された地にあってはおとなしく、己の素性を語ることもなく、ゆったりとしています。

クロマツと兼松講堂 アカマツと兼松講堂

アカマツが内陸に多いのに対して、幹が黒いクロマツは海岸の崖などに多い樹木です。武蔵野に生えるのはアカマツですが、キャンパスにはクロマツも植栽されています。白砂青松といわれるクロマツは海辺の景観を引き立てますが、兼松講堂との組み合わせはどうでしょうか。私にはアカマツとの組み合わせのほうが納得できます。

矢野二郎像とアカマツ 庭園ゾーンのアカマツ

矢野二郎像の背後にはまっすぐなアカマツがすっと立ち、緑陰を提供しています。アカマツが醸し出す見事な演出です。庭園ゾーンにあって、アカマツはヒマラヤスギのように堂々とはしていませんが、すっきりとしたアクセントをつけています。アカマツがなければ、冬のキャンパスの風景は寒々としたものになるでしょう。

キャンパスにあっては違和感がなく存在し、様々な恩恵を与えてくれるアカマツ。そうしたありがたみがことのほか感じ取れる冬のキャンパスです。

佐藤征男(記)

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