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10月30日三井物産社有林亀山研修会に参加しての感想

理事 岩崎真郷(法学部4年)

 東京の八重洲口から高速バスにゆられること、およそ2時間。いくつもの峠とダムに囲まれた三井物産の亀山社有林に到着したのは、10時すぎでした。三井物産フォレスト社の橋本社長との挨拶を交え、研修会がスタートしました。
 学内の緑化活動にとどまらず、大自然のなかでフィールドワークを実施するという、一橋植樹会史上初の試み。そのためか、房総の山々に足を踏みいれた植樹会一行は、少し緊張した様子。かるい準備運動を終え、10時半より、ヒノキの間伐作業にとりかかりました。
 真横と斜め上からノコギリの刃をあて、受け口とよばれる切りこみを作り、切り倒す方向を選定。受け口の裏側からおがくずが舞い、やがて、メキメキと鈍い音とともに15メートルの巨木が地をうならせる。観声が飛び交うなか汗をぬぐい、6本のヒノキを積み上げました。
 午後は、当会顧問の福嶋教授よる“青空教室〜亀山丘陵の生いたち〜”で再開。黒潮の運ぶ温暖な空気が育んだ南洋植物と、氷河期に群生していた針葉樹林が砂岩にとり残されることで完成した、U字谷の寒暖混成林。世界的にも稀少なその生態に、一橋植樹会はもちろん、山林の守り人であるフォレスト社の社員からも、驚きの声が上がりました。
 14時からは、いよいよ社有林に入って実地研修を開始。サカキやヒイラギ、キヨスミミズバツヅジなど、本来は標高700m以上の山々に生える植物や、亀山にしか存在しない植物が、歩道のそばで顔をのぞかせています。木漏れ日を見上げるのではなく、足元の植物を傷つけぬよう木々の間を進ませてもらう、不思議な体験ができました。
 15時。バスで移動した亀山ホテルで、1時間にわたる懇親会を行い、夕日を背に亀山丘陵をあとにしました。全身が疲れたなかでも、懇親会では、フォレスト社の皆様と植樹会、深く打ちとけた笑顔が見られました。

 私は、13名の参加者のなかで、ただ1人学生として参加させて頂きました。今回の研修会は、個人として、一橋植樹会のメンバーとして、通常の作業にもまして多くを考える機会になったと思います。
まず何よりも、身近な自然が、想像以上の神秘に満ちていること。私たちは「自然」という言葉を聞くと、外国の絵写真に載るような壮大な風景をイメージしがちです。しかし、国立キャンパスの豊かな生態系を見れば分かるように、雄大な自然は私たちの隣で人知れず花開いています。「自然は、人間社会から隔絶した場所にしかない」――こう考えるのは、私たちが普段、自然についてあまりに無関心であることの証拠です。毎月の清掃作業を通じて、キャンパスの土や落ち葉に触れてきたからこそ、一橋生が「隣人の自然」に少しでも振り向いてくれるよう、願う次第です。
 また、研修会を通じて、「人間が自然をどう活用すべきか」再考することができました。一橋植樹会の活動目的は、単なる国立キャンパスの自然保護に加え、暮らしやすいキャンパス環境を提案し、改良しようとする点に大きな特徴があります。同様にフォレスト社は、定期的な間伐を通じて、樹木と人間生活を結ぶ企業体。私たち植樹会は、自らの意思だけで自然に手を加えるのではなく、「相手(学生)がキャンパス環境に何を求めているのか」よりいっそう、アンテナを伸ばしていかねばなりません。生活者の窓口である学生理事として、一橋生の“声”をくみ上げる姿勢の重要さを、再認識することとなりました。

  最後に、この素晴らしい企画は、三井物産フォレスト社の暖かいご支援・ご準備なしには達成できませんでした。ご厚意に深謝致しますとともに、この貴重な一日を植樹会活動の新しい一歩として刻むことを、一同慶び申し上げます。


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