一橋大学の緑の管理を考える
福嶋司顧問の総会での講演から
(総会当日のお話の要点をまとめたものです)
一橋大学の緑、その現状と問題点
国立市の中で「大切な緑の島」、それが一橋大学です。これをどう管理していくか、それが問題です。もともと樹木が少なかったエリアにキャンパスを造り、徐々に緑が増えていきました。しかし樹木は時とともに老朽していきます。80余年の歴史を刻んだキャンパスの自然をどう管理をするか。そこで「一橋大学緑地管理計画」を策定しました。その要点は次の通りです。
・外周部は外部との遮蔽・遮音ゾーンを設定し、自然の遷移に任せた樹木の管理を行う。
・キャンパス内部は武蔵野雑木林ゾーン、庭園ゾーン、ススキの草原ゾーン、花木の植栽ゾーンなどを設定し、機能に応じた管理を行う。
そこで具体的な管理ですが、樹木については危険木の除去や樹木同士の競合関係を削減するため、適宜伐採を行います。また草本の管理についてはツルや草本の除去が主となります。さらに、予期しなかった倒木や太い枝があれば、伐採、除去を行います。
今後の管理をどうするか
10年間の管理を振り返っての検証が必要です。空間的な議論だけではなく、時間を入れた議論が必要です。樹木は確実に成長します。枝葉の拡大は樹木同士の競争を招きます。優勢木や劣勢木があきらかになっていきます。衰弱木も出てきます。治療、伐採、植え替えなどの処置が必要となります。
キャンパスの雑木林の再生も課題です。とりあえず雑木林の大径木を大切に残し、維持してきました。昭和初めの雑木林の復元をめざし、今後の管理方針を少なくとも20年、50年先の視点が必要です。
植樹会活動を将来にどう繋ぐか
次世代へ繋ぐためにはOBと在校生との協働作業を通じて情報提供が重要です。OBの主導により作業へ学生理事・各サークルの参加を呼びかけたらいいと思います。共に汗を流せば、世代を超えた連帯感が生まれます。作業後の学生との交流会も情報共有、継承のために非常に有効です。今後、植樹会支援で実施されている「緑の科学」の講座などでも教員やOBと学生による協働の重要性を伝えていきたいと思います。
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