作業班 湯川 敏雄(昭42社) 記
第4回目となる休日作業が10月20日に行われました。天候は雨。かつて"植樹会の作業日には雨は降らない、傘マークの日でも作業の間は雨が小止みになる"というジンクスがありました。今回もその再現を願いましたが、残念ながら前夜来の雨は止むことなく、むしろ強まって肌寒い日曜日となってしまいました。今回の作業で事前に参加申し込みをした人は合計156人でありしまたが、このような天気にも関わらず、定刻午後1時にはその9割にあたる143人(教職員、OB55名、学生88名)が佐野書院に集合しました。
今回の作業の主眼は東キャンパスの東南隅、およそ東西30m、南北30mのエリアでの植樹です。その内容は、サクラ、コナラなどの枯損木・変形木を除伐した後の空隙に、高さ3メートル程のクヌギ、コナラ、ヤマザクラを計13本新植し、同時に東側フェンス沿いのドウダンの列植を延伸すべく、新たに11本のドウダンを移植することであり、これらを業者に任せるのではなく、自分たちで実施しようとするものです。
このエリアは、9月に整備作業に入るまでクズが繁茂して足を踏み入れることが躊躇されるような場所でありましたが、除伐に続いて作業日の前日まで3回の準備作業を設け、空き缶やビニールなどのゴミ拾い、除草、クズの除去などの下ごしらえ、さらに雨天を考慮して植穴を掘るところまで準備をしました。最初は建設工事の残材が埋まっているのではと懸念されましたが、一部で砂利が出てくる程度で済んだのは幸いでした。
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<穴掘りの作業> |
<ドウダンツツジ用の穴> |
さて当日は、作業説明の終わりに、学長より「雨の中ご苦労様です。頑張りましょう」と檄を飛ばしていただいて作業に着手(学長には交流会での挨拶をお願いしていてこれは予定外でありました)。作業自体は苗木を据え付け、黒土を運んできて埋めるだけでしたが、運動靴はもとよりズボンの裾までぐっしょり濡れ、黒土も水を含んで重く、なかなか大変な作業でありました。狭いエリアに100人を超す人数での作業になることから、樹木に番号を付けて各自の担当を割り振るなどの工夫をしたこともあり、大きな混乱もなく午後2時頃には無事作業を終えることができました。学生諸君にはサポート役に回ってもらいましたが、道具の数が十分でなかったりしてやむを得ず一部手待ちになってしまった人が出たのは反省点です。ともあれ植え終わって見れば、本数は少ないながらも記念植樹のように1本だけ植えるのとは違い、それなりに達成感の得られる作業でありました。(一言愚痴を言わせてもらえば、クズの完全除去は殆ど不可能といわれているので、これからしばらくは年2回位、植樹会でメンテナンスをする必要が考えられ、作業範囲がまた一つ増えることになります。)
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<力を合わせて植えます>
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<多くの方々が参加> |
今回は雨天ということもあってキャンパスツアー、学内のツル取り作業などはすべて中止し、3時前から作業後の交流会に移りました。前回同様、西プラザの食堂のほぼ半分を埋め尽くす様はなかなか壮観です。昨年は飲酒問題に配慮して教職員・OBと学生の席を分けましたが、今年は交流を第一義に交じりあって着席するこにしました。学生にとっては先輩の経験談からいろいろなことを吸収する絶好の機会であります。OBも学生から若さの分け前をもらっている面があるでしょう。今更ながら交流も植樹会の目的の一つであることを実感しました。
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<交流会で話が弾む> |
かくて予定より若干早く、午後4時すぎに終了、全員で後片付けに入りましたが、今回の作業ではどうしても触れておくべき点が2点あります。
その一つは木を植える作業の意義です。新生植樹会が10年を経て緑地基本計画のレビューを行う過程で、多くの木が弱ってきていて、次の世代の緑を育てることに着手すべき時期がきていることを痛感させられています。これを次の10年の植樹会の課題として、今年5月の総会後に記念の植樹を行う構想がありましたが、時間的制約から見送られた経緯がありました。今回の植樹はその第一歩と位置づけられます。まとまったエリアでの植樹はなかなか難しいかもしれないですが、木を植える作業はこれからも継続することになるでしょう。
次に今回の植樹が竹内弘高ゼミ9期生との共同植樹であることです。今、大学は個別の記念植樹は受けられない状況にあります。ただ、竹内ゼミ9期生からは記念となるものを残せれば場所も樹種も問わない、という申し出であったと聞いています。そこで植樹会との共同植樹が可能となりました。したがって苗木の購入など今回の費用は竹内ゼミ9期生に多く負担していただいており、作業にも5名の方が参加していることを記録しておきます。蛇足ながら今回移植したドウダンはかつて植樹会が庭園を作ろうとして持ち込んだものと聞いています。第2研究館北側の林地には同じ境遇のツツジが10本ほど日のあたるのを待っています。
最後に、日曜日でしかも雨の中、ボランティア作業にこれだけ多くの人が参加してくれたことに心から感謝を申し上げたい。
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