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ウグイス(スズメ目ヒタキ科)全長14〜15.5cm 留鳥イラストを見て「あれっ?」と思った方がいらっしゃるのではないでしょうか。ウグイスって「梅にウグイス」の、あのウグイス餅色した鳥じゃないの?」と。実はくすんだ地味な色をしたこの鳥がウグイスです。黄緑色、いわゆるウグイス色をしてウメに止まっている鳥はメジロといいます。 このメジロは花の蜜を好むため、梅のみならず桜にも椿にもやってきますが、ウグイスは昆虫やクモを主食とするのでウメに止まる事はほとんどありません。 しかもウメの咲くのは二・三月、ウグイスの初鳴きが聞かれるのはたいてい三月中旬から下旬で、時期的にもずれがあります。「梅にウグイス」の組み合わせは、野生の状態ではなかなか実現しないのです。 「ホーホケキョ」のさえずりは春から夏にかけての繁殖期だけのもので、それ以外の時期は「チャッ、チャッ」と舌打ちをするような、「笹鳴き」と呼ばれる声で鳴きます。さえずる時は、なわばり主張のためにわりと目立つ明るい場所で鳴きますが、秋・冬は暗いやぶの中で暮らしていて見つけるのに苦労します。ウメの咲く頃、大学内を歩いていて「チャッチャッ」という声がするのでアオキの茂みの傍らに座り込んでしばらく探していると、姿を現したウグイスからチャッチャッ」と舌打ちされました。 ササのある所で繁殖しますが、一橋大学内には東・西キャンパスともにササが多いせいかウグイスがたくさん生息しています。一番観察しやすいのは春先の東プラザ周辺。東西キャンパスを行き来する学生を後目に盛んにのどを披露しています。 ここでも繁殖しているらしく、新年度開講して間もない頃に東一号館で窓を明けて授業を受けていると、教室内でも「ホーホケキョ」という声を楽しめます。 |
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法学部3年 中野晶子 |
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