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アカゲラ(キツツキ目キツツキ科)全長23.5p 留鳥春。兼松講堂の裏からタラララ、タラララ…という不思議な音が聞こえてきます。これはキツツキの繁殖期の行動で、木を嘴でつついて大きな連続音を出す「ドラミング」と呼ばれるものです。一橋大学内ではアオゲラ・アカゲラ・コゲラの3種類のキツツキが観察できます。コゲラもドラミングをしますが体が小さい分、出す音も小さいため、兼松講堂裏での音の主はアカゲラかアオゲラだと思います。イラストは後頭の赤い雄ですが、雌は頭部全体が黒、幼鳥では雌雄ともに頭上が暗い赤色をしています。 私が大学内で初めてアカゲラを見たのは入学した年の5月でした。授業の空き時間を利用して西キャンパスの経済研究所の北側で鳥を探していたところ、突然「キョッ、キョッ」という鋭い声をたてて大きな鳥が飛んできて木の幹に縦に止まりました。 アカゲラは北海道では平地でも観察できるそうですが、本州では山地の鳥です。私自身も奥日光などでしか見たことがありませんでした。緑豊かとはいえ、れっきとした首都圏の、しかも駅まで5分の町中でこんなすごい鳥を観察できるとは思ってもみず興奮してしまいました。 大学の森の貴重さを実感したできごとです。その後も同じ場所で頻繁に目撃しましたが、去年から今年にかけては観察できていません。 アカゲラは東京都では、生息環境の変化により絶滅の危機に移行が危惧される種に認定されています。「一橋大学内にアカゲラがいる」ということをこの場で公表してしまうことで、多くのバードウォチャーが大学に押し寄せてしまうのではないかとの心配もあるのですが、大学の森の環境に関心を持っていただきたくてあえて今月取り上げてみました。 |
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法学部3年 中野晶子 |
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