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エナガ  (スズメ目エナガ科) 全長13.5p 留鳥

丸っこくて小さな体に、柄杓の柄のように長い尾がついているので「柄長」。わかりやすいネーミングです。尾が長いので全長13.5センチもありますが、体は小さいので日本の鳥の中で最も体重の軽い鳥のひとつです。国内で一番嘴の短い鳥でもあります。綿毛のかたまりのような非常に愛らしい姿なので、じっくり見たいと思うのですがちょこまかと動き回り双眼鏡で追いかけるのは至難の業です。しかし人なつこく好奇心が強いので、身動きせずにじっとしているとかなり近くまで寄ってきます。声に気付いて樹上を見上げているうちに群れに囲まれ、頭の周りをくるくる飛ばれたりすると、嬉しくて、つい、にやにやしてしまいます。一年を通じて群れで行動しますが、冬の間はシジュウカラやヤマガラと混群を形成します。大学内でも10月頃から、いたる所で混群が大騒ぎをしています。

昨年の6月中頃、東生協の傍で「ジュリジュリ」というエナガの声が聞こえてきました。双眼鏡の視界に飛び込んできたのは、コーヒーや墨で汚したマシュマロのような尾の長い鳥。「あれ?エナガのはずなんだけど色が違う」と首を傾げつつ見ると、他にも同じ色をした愛くるしい小鳥が何羽もいました。巣立ったばかりのエナガの幼鳥の群れだったのです。大学内のエナガの多くは越冬のために山から下りてきた個体ですが、一部は繁殖しているようです。

エナガの巣は、コケや枯れ草・クモの糸などでできた小さな球形で、中には鳥の羽毛が敷き詰められているそうです。その中に7〜12個の卵を産むといいますから雛たちはぎゅう詰めでしょう。しかも夜は親鳥2羽も中で寝るため、長い尾に寝癖がついてしまうこともあるとか。そんな住宅事情下で育った幼鳥たちは、巣立ち後も全員でおしくらまんじゅうをしながら枝に止まって親に餌をねだるといいます。そんなエナガの「目白押し」を見られたらいいなあと思いながら、混群と追いつ追われつしている冬の雑木林の今日この頃です。

イカル
エナガ
観察ポイント:東キャンパスの池
観察ポイント:キャンパス全域
法学部3年 中野晶子
 
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