先の大戦では国の内外を問わず国民のすべてが戦場にあり、わが一橋においても多数の戦没者を出している。
10年余り前に彼らの死を悼む有志の間に碑建立の動きがおこり各方面に働きかけたが,時流はこれを許さず,納得のいかぬまま荏再時を過ごしていた。
その後終戦後50年余年をへた平成11年(1999年)にいたり期せずして「学友の碑」建立の声が再びあがり,大学,如水会の賛同を得て広く一橋人に呼びかけた。これに対する反響は極めて大きく,我々は同年4月より碑建立の段取りにかかり,一方戦没者名簿の完璧を期すべく努力が始まったのである。
碑建立のための募金に応ずるものも多く,如水会員のみならず会員以外の一橋人,そしてご遺族よりも浄財の醵金が相次ぎ,これらを基に平成12年(2000年)4月,国立佐野書院内に無事完成した碑の除幕式が行われた。
碑に祀られた戦没学友805名の名を記したこの名簿は,碑とともに我々の哀悼の意を表するものとして永く保存されるものであり,これら学友の名は一橋の歴史の中に永久にとどめられるべきであろう。
還らざる学友の尊い死を忘れぬために建立されたこの碑には「第二次大戦戦没学友800余名を偲びて」と刻まれているが,我々戦中派の実感として,この「第二次大戦」をより広く考えることとし,済南事件,満州事変そして日支事変より引き続いて終戦後にいたるまでの15年戦争の期間内の戦没者すべてを祀ることとした。従ってこの名簿にはその氏名が記されている。
また「戦没者」についても,陸海軍在籍の戦死,戦病死の方々に加え,非戦闘員で軍属・軍嘱託またはこれに準ずる職務遂行中に殉職された方々をも含めてある。
戦没者の氏名は昭和58年に刊行された「第二次大戦と一橋」にも記載されているが,今回は各年度幹事の尽力による再調査の結果,それを遥かに超える百名近い方々が追加確認されている。
こうして我々の悲願であった征きて還らぬ学友の御霊を迎えることが一橋人の総意もって実現したのであるが,なお若くして散華し五大洲雄飛の志も空しく、キャプテン・オブ・インダストリーの夢も破れた学友の無念の思いが即惻々として我々の胸に迫ってくる。
我々は“学友よ,安らかに眠ってください”と希うばかりである。
還らざる学友よ 君たちの志は
ここ国立に 永遠に生き続ける
平成12年(2000年)4月
戦没学友の碑建立期成会
【お願い】
この名簿になお記載されていない戦没者及び,過誤,訂正,区分状況の追加がありましたら,如水会事務局にご連絡下さい。
【注釈】
※印は戦没者のうち,門養卒業後更に学部卒業された方で,両方に名前のある方です。(人数としては学部に入れてあります)
|