植樹会 作業班 : 新里英雄(記)
新年度最初の作業日にもかかわらず、作業日の前後は晴天、作業日のみ雨。
しかも作業の行われる午後の方が降水確率は高いとの報道に、当日朝は天候を理由とした作業参加中止の連絡が相次ぎ、心穏やかでありませんでした。
ところが開始時刻の午後2時には雲の切れ目から青空が広がり、「出来るだけやろうよ!」と声掛け合いながら福嶋顧問、田崎、筒井両教授、施設課からは緑川課長を筆頭に55名(OB32名、学生13名)の参加者は作業開始しました。55名は少ないようですが、新学期入りで何かと忙しい学生の参加者数が伸びなかったことも考慮に入れれば、多くの参加者に恵まれたと言う方が正しいのでしょう。
今月の作業は本館、附属図書館、兼松講堂に囲まれた庭園ゾーンの雑草取りです。芝生でこれから伸び放題になる雑草、蔓植物を今の内から摘み取っておこうとの狙いです。 春を謳歌するように咲くタンポポも刈り取らねばなりません。 腰に負担の掛かる今日の作業用に、予め膝当てを用意し希望者に配布しましたが、体を屈めての作業の為、腰に負担が掛かってきます。 芝生ゾーンのツツジ類にはまだ蔓植物による被覆は見られませんが、根元には雑草がはびこり、立鎌を使って取り去ります。 もう一つの作業場所、西館横では雑草がかなり伸びていました。
月例作業常連の一人、佃 義範先輩(昭35社)のご尽力により、今月から陸上競技部の学生との作業が実現する事になりました。今年は各運動部との協働を増やす事が重点目標の一つとして挙げられています。陸上部には競技場に隣接したススキ・ゾーンの作業に協力願うこととしました。初回の当日は4名の学生参加者と植樹会の2名で中鎌を使用して1時間超雑草取りに汗を流しました。
庭園ゾーンでの作業が佐野善作先生の銅像より附属図書館の方へ向かって進んだ頃、疲労も限界に近づいて来ましたので、4時過ぎに作業終了。後片付けに入り、芝生ゾーンらしく整備されたのを見届け、清々しい気分で職員集会所に戻りました。
この日、 “多数の新入生に参加してもらい、「キャンパス内の食材を使用した山菜天麩羅で歓迎する」企画を用意してありましたが、残念ながら新入生諸君には如水会企画の「歓迎会」という先約があることが判明しました。それでも「山菜の下見までして止められるか」との思いもあって、初の試みの“天麩羅パーティー”は予定通り実行と決めました。すでに月例作業の合間に、福嶋顧問をリーダーに山菜採取を行ない、22種もの食材全てをキャンパス内で確保していました。
厨房では、福嶋顧問、筒井教授、佐藤征男氏、坂内副学長夫人、岸田夫人、国持夫人に女子学生が作業を進め、天麩羅を揚げ始めました。採取した22種類を調理するのですから厨房はさながら戦場のような慌しさです。平素は上品なご夫人方も髪振り乱しての奮闘でした。ご馳走の前に一辛抱とばかり4時半から職員集会場大会議室で福嶋顧問から使われる食材に付いてそれぞれ解説して頂きました。いよいよ開宴です。食堂には「山菜天麩羅」が大皿に山盛りとなって次々と運びこまれて来ました。空腹感に襲われていた参加者連は、ビールの乾杯もそこそこに天麩羅を頬張ります。
参加者の感想を幾つか引用しておきます。
(その一)「山菜の天麩羅を食したことはとても貴重な体験になりました。本当に美味しかったです。失礼ながら予想外でした。」
(その二)「そもそも山菜ってなあに?」「食用となる山野に自生してる植物のことだよ」「ふ〜ん、では本学のキャンパスは山菜の宝庫なんだね!」
(その三)「ドクダミは薬用専科と思ってたが食用にもなるんだね。でもどうして毒草でもないのに、ドク(毒)ダミなの?」
(その四)「オオバコって小さい時、絡ませて引っ張り合い強さを競ったあのオオバコが食べられるの?」「そうそう、田舎の親父は子供の頃、葉の部分を天麩羅にしてよく食べたと言ってた」
ドクダミの根を塩とゴマ油であえた料理も供されましたが独特の臭い(匂い?)に賛否両論がありました。いずれにせよ“珍味”に話題は尽きず、十二分に堪能させていただきましたが、最後の鈴木徹郎氏(昭39年卒)より次の飛び入りスピ−チ「この催しには感動しました。こんなに感動したことはいままでありませんでした」が初めての試みの成功を表したのでないでしょうか。
食材として使用した山菜は次の通りです。
(木)サルトリイバラ、ミツバアケビ、イロハモミジ、クズ、マユミ、クコ、イヌザクラ、ウワミズザクラ、タラノメ、ニセアカシヤ
(草)ノビル、スイバ、オオバコ、ムラサキハナナ、ナズナ、ヨモギ、イタドリ、ドクダミ、フゲンゾウ、セイヨウタンポポ、オニノタビラコ、カラスノエンドウ
(以上計22種類)
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材料の採集 |
説明 |
調理 |
盛り上がる天麩羅パーティー |
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