作業班 湯川敏雄(昭42社) 記
平成21年度の最後となる3月度の月例作業は、花曇りを思わせる天候のなか、OB・学生総勢約50名が集まって行われました。作業に先立ち、いまや恒例になった植樹会寄贈植樹が行われました。
今回は、例月より開始時間を30分繰り上げ、ミーティングを午後1時半にスタート、その後(1)参加者全員が、岸田ロードの如意団部室寄りに移動して、サトザクラ(御衣黄)の植樹を行い、次に2班に分かれて、(2)A班はススキのゾーン(第一ゾーン)のススキなどの株分け作業を、(3)B班は新設されたススキのゾーン(第二ゾーン)へ関東産のススキ苗を植付けた後、中央庭園に移り、池周辺の清掃作業を行いました。
今年植樹した御衣黄(ぎょいこう)は、オオシマザクラ系の品種で、緑色の花として知られています。名称も、この花の色(昔の貴人の好んだ衣服の色萌黄色に似ている)に由来します。花期はソメイヨシノよりも2週間くらい遅く、特に若い木は、花が咲いているのに気がつかない人がいるほど緑色が濃いとのことですので、フゲンゾウなどのピンク系のサクラが続くなかで、文字通り異彩を放つことになりそうです。
実際の作業は、籏野会長、福嶋顧問の挨拶に始まり、田中顧問を加えた3名で鍬入れを行った後、参加者全員が順次リボンの巻かれたスコップを手にして、植樹を完了しました。スケジュールの関係で大学関係者の臨席を得られなかったことは残念でしたが、苗の準備から植え穴への据付け、用具類の準備などは、大学(施設課)の協力によるものです。
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東キャンパス正面 |
次に、従前のススキのゾーンに加えて、如意団前広場と硬式野球場の間の空地(今回の植樹地と通路を挟んだ反対側)に第2のススキのゾーンを設けることになり、関東産のススキ苗約20株を植え付けました。このススキ苗は、関如水会事務局長のご紹介により、3月14日に奥多摩・鳩ノ巣駅より北方約20分のやや急峻な山地に、会長及び作業班有志が出向き採取して来たものです。このゾーンには、今後関東エリアのDNAをもつ萩を入手して植えることを企画中で、将来的には従前の第一ゾーンを西日本エリアの、第二ゾーンを東日本エリアの秋の七草の草原とする構想であるとのことです。
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第二ゾーンでの作業 |
ススキの株を分ける |
第一ゾーンについては、約30名で、ススキ、萩、フジバカマの株を掘り上げ、株分けする作業を行いました。80cmを越すような株がいくつもあり、福嶋顧問の指導のもと、ススキは30cm弱の大きさに、萩、フジバカマは20cm前後の大きさに分割してもう一度植え付けました。株の掘り上げの力仕事はもっぱら学生諸君の担当で、スコップと水遣りのバケツの活躍する一日でした。ただ、作業を終了して全体を見渡すと、近い将来、スペース的に手狭になるのではと危惧されます。
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第一ゾーンでの作業 |
ハギの株を分ける |
B班のメンバーは、ススキ苗の植え付け後中央庭園に移動し、清掃作業を行いました。入学試験や合格者発表などで人の出入りがある時期で、施設課もそれなりに清掃の手配をしているので、それほどのことはないでしょう、とのことでしたが、実際にかかってみると結構大変で、池の周辺を中心に、約20人で正味1時間、みっちりと作業を行いました。
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兼松講堂正面の主庭園の手入れ |
図書館前の池の清掃 |
今回の作業では、3時半終了で余裕があったためか、道具の後片付けがきちんとできました。泥のついたスコップは水洗いし、使用した道具類を倉庫の所定の場所に戻すところまでを、誰かに言われるのでなく自発的にできたことは、以前に施設課に後始末を全面依存していたことと比較すれば、大きな前進だと思います。作業の質が高まれば、おのずと安全≠ノついての意識も高めていく必要が生じます。きちんとした服装と、道具の手入れは、その基本中の基本だと云われています。今後、暑くてきつい作業のときでも、後片付けまでが作業のうち≠ニの考えが定着できれば作業班としても大変助かります。
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作業撤収 |
作業終了後は、恒例により、職員集会所において学生・OBが交流しての打ち上げを行い、
午後5時頃まで、和気藹々とそれぞれ歓談いたしました。舌の根が乾かぬうちに前言を翻すことになりますが、やはり打ち上げの締め≠ワでが、植樹会の月例作業と申してよいのでしょう。 |