第一編 総 則
第一章 裁判所の管轄
本章は、概ね現行法(現行刑事訴訟法をいう。以下同じ。)通りであるが、あらたに、事物管轄を同じくする他の管轄裁判所へ[#「へ」は原文では「え」。14-10]の事件の移送の制度を設けた。(一九)これは、本案が極めて徹底した直接審理主義公判中心主義を採用した結果、被告人の現在地管轄を有する裁判所において審判するよりも、犯罪地又は被告人の住所地等を管轄する裁判所において審判する方が被告人の保護ともなり、又審理の便宜も得られるので、この制度を採用したのである。
第二章 裁判所職員の除斥及び忌避
本章において、回避の制度を規定しなかつたが、これは、回避は單なる裁判所の内部規律の問題であるので裁判所の規則に讓つたわけである。
第三章 訴訟能力
被疑者に関する規定を取り入れた外、現行法に同じ。
第四章 弁護及び補佐
本章中弁護人制度に関する改正の要点は、次の六点である。
一 被疑者の弁護人選任権(三○I)
本案においては、應急措置法(日本國憲法の施行に伴う刑事訴訟法の應急的措置に関する法律をいう。以下同じ。)に更に一歩を進め、被疑者は身体の拘束を受けていると否とを問わず、すべて弁護人を選任できるものとし、その保護を図つた。
二 特別弁護人の制限(三一)
本案においても、特別弁護人の制度は、これを認めているが、特別弁護人を選任することができるのは、簡易裁判所及び地方裁判所に限られ、且つ地方裁判所においては、他に弁護士たる弁護人がある場合に限るものとし、著しく特別弁護人を選任し得る場合を制限した。これは、本案においては、公判準備及び公判手続において弁護人が行動するについては、専門的法律知識が必要となつているので、原則として弁護人は資格のある弁護士たることを要し、特別弁護人は例外的にこれを認めることとしたのである。
三 主任弁護人(三三、三四)
本案においては、公判準備及び公判手続において、弁護人に通知をしなければならない場合が著しく多くなり、又弁護人のなし得る訴訟行爲も甚だ多くなつている。この場合に数人の弁護人に対しすべて通知をしなければならないものとするのは極めて不便であり、又弁護人のする訴訟行爲が相矛盾[#「矛盾」は原文では「予盾」。16-12]するのでは、訴訟の進行に種々の不便があるので、本案においては、主任弁護人の制度を設け、主任弁護人は、裁判所の規則の定めるところにより、弁護人に対する訴訟行爲又は弁護人のする訴訟行爲について他の弁護人を代表するものとした。然し証拠調終了後の意見の陳述はすべての弁護人がこれをすることができるのである。
四 弁護人の数の制限(三五)
弁護人の数は、各被疑者については、三人を超えることができないものとし、被告人については、特別の事情があるときは三人までに制限することができるものとした。これは、司法法制審議会において激しい論議の末決定された答申に從つたのである。
五 貧困その他の事由による弁護人選任の請求権は、應急措置法と同様である(三六)。
六 弁護人の被疑者又は被告人との交通権(三九)
被疑者又は被告人が供述を拒む権利があり、又は終始默祕する権利があることを考えると、被疑者又は被告人と弁護人との接見に官憲が立ち会い、その会談の内容を聽取することは建前として許されないところであるので、身体の拘束を受けている被疑者又は被告人は、何人の立会もなく弁護人又は弁護人となろうとする者と接見し防禦の準備をすることができるものとし、又書類若しくは物の授受をすることができるものとした。但し、監獄法その他の法令で、逃亡、罪証隠滅又は戒護に支障のある物の授受を防ぐため必要な措置を規定することができるものとし、公訴の提起前においては、搜査との調整を図る必要上搜査官は、接見又は授受に関しその日時、場所及び時間を指定することができるものとした。この指定に対しては、不服申立ができる(四三○)。
第五章 裁判
本章については、單純な手続的規定を裁判所の規則に讓つた外、現行法と変りがない。
第六章 書類及び送達
本章は、現行法においては、二章に分けられていた書類及び送達を併せて一章にまとめた。而して、書類に関しては、まず、公判調書について特別の規定を設けた。
一 被告人にも、弁護人がないときは、公判調書の閲覽権を認めた(四九)。
二 公判調書が次回の公判期日までに整理されなかつたときは、裁判所書記は、檢察官、被告人又は弁護人の請求により、次回の公判期日において又はその期日までに、前回の公判期日における証人の供述の要旨を告げ、その際請求者から証人の供述の要旨の正確性について異議があつたときは、その旨を調書に記載しなければならないものとし、公判調書の正確性の担保を図つた(五○)。
三 被告人及び弁護人の出頭なくして開廷した公判期日の公判調書が、次回の公判期日までに整理されなかつたときは、裁判所書記は、次回の公判期日において又はその期日までに、被告人又は弁護人に前回の公判期日における審理に関する重要な事項を告げなければならないものとし、被告人の保護を図つた(五一)。
次に確定訴訟記録の公開の制度を設けた。何人も、被告事件の終結後、原則として訴訟記録を閲覽できるものとした。これは、裁判の公正を担保する趣旨に基くものである(五二)。
送達に関しては、刑事訴訟においては、公示送達制度を全然認めないこととし、被告人の保護を図つた。但し、公訴の時効の停止については、特別の規定を設け、公示送達を廃止したために起るこの点の弊害を避けた(五四)。
第七章 期間
本章は、里程猶予の期間に関する規定の内容を、裁判所の規則に讓つた(五六)外、現行法と同じである。
第八章 被告人の召喚勾引、及び勾留
本章は、被告人の身体を拘束する原由、身体拘束についての手続及び不当又は不必要な勾留に対する救済方法を定めたものである。本章中の規定の大部分は現行法及び應急措置法中に見られるものであるが、特に注意すべきものを掲げれば次の通りである。
一 勾留原由をあらたに規定し、且勾留期間に関する規定を設けなかつたこと。
現行法においては、いかなる程度の犯罪の嫌疑がある場合に、被告人の身体を勾留し得るかが法文上必ずしも明確ではなかつた。應急措置法においては、逮補の原由として、「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」又は「充分な理由」というような條件が設けられたのであるけれども、これが同時に勾留の條件とはされなかつたのである。即ち、現行法においては、勾留の原由は勾引の原由であり(現行九○)從つて住居不定というような事実があれば、極端にいえば、犯罪の嫌疑があつてもなくても勾留し得るという理窟であつたのである。
本案は、その第六十條において、從來の建前を一擲し、勾留の原由としては、常に「被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」があることを要件とし、全然嫌疑のない者が拘束を受けることがないように裁判官に対して審査の義務を課すこととなつたのである。但し、逆にいえば、本案においては、犯罪の嫌疑のある者は、仮令住居不定にあらずとも、一應勾留され得ることとなつたのであり、この意味において必ずしも、勾留し得る場合を制限したとはいえないのであるが、そのような場合に関しては後述する保釈制度等の活用により、不必要な勾留を努めて救済しようとしているのである。
次に現行法においては勾留の期間を二ヶ月としているのであるが(現行一一三)、本案においてはこのような規定は設けなかつた。蓋し、從來の運用の実情を見るに、二ヶ月という期間の制限は、形式的な更新によつて多くの場合有名無実となつているのである。本案においては、斯くの如き実効の伴わぬ制限はこれを設けぬこととし、保釈、勾留取消等の運用によつて、不当に長期にわたる勾留を救済しようと考えているのである。
二 不当又は不必要な勾留に対する救済
右に申した如く、本案においては、犯罪の嫌疑があれば身体を拘束し得ることが一應の建前となり、勾留期間に制限がないのであるから、不当又は不必要の勾留を防止するため充分の救済手段が設けられねばならぬことは当然である。そこで次の如き規定が設けられたわけである。
(一)身体拘束と弁護人選任の規定(七六乃至七九)。
被疑者たると被告人たるとを問わず、苟くもその身体が拘束された場合には、直ちに弁護人選任権を告知され且つ、これを選任し得ることは應急措置法において定められたところであるが、本案においてもこれを全面的に踏襲したのである。第七十八條及び第七十九條は弁護士、弁護士会、又は弁護人若しくは親族等に対する通知義務をあらたに定め、これによつて被告人が不当又は不必要の拘束を爭い得る途を開いたのである。
(二)勾留理由開示の手続(八二乃至八六)
本手続は、憲法第三十四條の規定に基き、應急措置法中に設けられたものであるが、本案においても、これを規定したのである。この手続によつて、勾留中の被告人は自分が勾留された理由を知ることができるわけである。
(三)勾留理由不存在又は勾留不必要の場合における勾留取消(八七)
勾留の理由又は勾留の必要がなくなつた場合には、請求又は職権によつて勾留を取消すべきものとした。
(四)保釈(八八乃至九○)
保釈については、第八十九條に若干の例外の場合を設けたが、それ以外の場合には、保釈を許すべきものとした。例外にあたる場合でも、裁判所が裁量を以て保釈を許し得ることはいうまでもない。更に職権によつて保釈を許し得る途を開くこととした。
(五)不当に長期にわたる勾留の取消又はその場合における保釈(九一)
勾留による拘禁が不当に長くなつたときは、裁判所は請求又は職権により、勾留を取り消すか保釈を許さねばならぬものとした。
以上が勾留される場合の被告人に対して設けられた救済規定の概要である。
三 勾引、勾留の手続に関する諸規定
次に、本章中の勾引、勾留の手続に関する規定について一言して置く。これらは一見すると現行法又は應急措置法のそれと大差がないようであるが、仔細に比較檢討するならば、本案の規定が從來の手続規定よりも詳細を極めており、勾引状、勾留状の執行について嚴格な制限を課しているのがわかるであろう。唯一つ、その中にあつて第七三條第三項が、急速を要する場合に関し、令状をその執行の際呈示する必要のない例外を定めていることを注意して頂きたい。令状は執行の際常にこれを呈示するのが理想であることは改めて申すまでもないところであるが、この原則を徹底すれば、すでに令状が発せられていても、たまたま令状を所持していなければ、被告人を逮捕し得ないという不都合な場合も生じ得るので、この例外を特に設けたわけである。
以上が第八章中の重要と思われる規定の概要である。
次に第九章に入るわけであるが、その前に一寸ご注意を願いたいのは、本案においては、現行法が「被告人の召喚、勾引及び勾留[#「勾留」は原文では「匂留」。24-5]」の章の次に設けている「被告人訊問」の章を削除したということである。本案においても、被告人の供述を求める場合もあり得ることになつているのであるが、從來の如き被告人訊問は裁判手続の中心ではなくなつたので、これを一章としては規定しないことと致したのである。
第九章 押収及び搜索
本章は、裁判所の行う押収及び搜索について規定を設けたものである。而して本章の規定は現行法の規定と対比すると次の如き諸点が特徴をなしておると考えられる。
一 令状主義の徹底(一○六)
從來の考え方においては、裁判所は自ら押収、搜索をなし得るのであつて、裁判所の押収、搜索には令状は不要であるとも考えられたのであるが、本案はこの点に関しあらたな見解を採り、裁判所の行う押収、搜索についても令状を必要とし、その令状は裁判官以外の者が執行すべきものとした(一○八)。蓋し、一方において、裁判官の地位、職分を考慮すれば、裁判官自らが押収、搜索の現場において活動するが如きことは甚だ面白くないと考えたからであり、又他方においては、常に令状を要することが憲法第三十五條の明文にも合致すると考えたからである。
二 押収令状、搜索令状執行と人権尊重の規定、押収令状、搜索令状の執行は、これが乱暴に行われた場合、極めて人権を侵害する虞あること逮捕状、勾留状といささかも異なるところがない。仍て、本案においては特に次の如き制限規定を設け、人権の侵害を防止せんことを企図したのである。
(一)呈示義務(一一○)
令状は処分を受ける者の請求の有無にかかわらず、これを呈示すべきものとした。
(二)夜間の執行(一一六)
令状を夜間執行するためには、その旨の記載を要するものとした。換言すれば、裁判官に対して夜間執行の許可を求め、許可を得てはじめて執行し得ることとしたのである。
(三)目録の交付(一二○)
押収した者は必ず押収品目録を交付すべきものとした。
(四)運搬又は保管に不便なものの委托(一二一)
現行法においては、この種の保管の委托は、これを命じ得ることになつていたのであるが、本案においては、相手方の承諾を條件としたのである。
三 押収拒否権制度の合理化(一○五)
これは後述する証人尋問の章中第百四十九條に対應する改正である。抑々、被告人、被疑者の尋問が大いに制限された。刑事訴訟制度の下においては、傍証の集収が犯罪の証明にとつて極めて重要となることは改めて申すまでもないところである。特殊の業務に從事する者が、業務上委托を受けて保管し所持する物で、他人の祕密に関するものをむやみに押収することは、不当に人の祕密を侵し、且つ、業務自体を侵害するものである。然しながら、業務に基く押収拒否権はあくまでも人の祕密の正当なる保護と業務の保護との点にその合理性が認められるべきものであり、これが犯人隠祕、罪証隠滅にまで濫用されるべきでないことは明らかである。第百五條は新制度の下における傍証の重要性に鑑み、從來の規定を多少合理的に変更することと致したのである。
第十章 檢證
本章においては、後述の鑑定の章におけると同様に、身体の檢査をする檢証について特別の規定を設けた(一三二乃至一四○)。身体の檢査は、野外における犯罪現場の檢証等と異なり、その方法如何によつては、処分を受ける者の人権を侵害する程度が大きいからである。
と同時に、新制度の下においては、これが証人尋問と同様に重要な証明方法となることもあり得ることを考慮し、正当な理由なく檢査を拒否する者に対しては、制裁を科し得ることと致したのである。なお、過料の制裁を科する裁判に対しては別に抗告の途を認めてある(四一九、四二九)。
第十一章 證人尋問
前述した如く、本案においては、被告人及び被疑者に対して一切の供述を拒否する権利を認めた結果、今後の裁判においては、傍証の集収が犯罪の証明に極めて重要なものとなつたのであるが、中でも証人尋問は特に重要な役目を果すこととなつたのである。他面重要な証人はできる限りこれを公判廷で尋問し、然らざる場合にも被告人に対して充分に審問の機会を與えなければならないというのが憲法第三十七條の規定する原則でもある。このような観点から、本案は、從來の現行法中の証人尋問に関する規定をある部分多少修正し、又あらたに規定を設けることと致したのである。
一 証言拒否制度の合理化(一四六及び一四七)
現行法第百八十六條及び第百八十八條においては、一定の親族関係又はこれに準ずる関係のある者の間においては、全面的に証言を拒否し得ることとなつていた。換言すれば、この特殊の関係があることさえ立証されれば、被告人に不利益な証言は勿論のこと、有利な証言さえも拒否し得るということが理論的には可能であつたのである。しかも実際の運用においては、この規定が利用されたことは余りなく、多くのこの種の証人は進んで被告人のため有利な証言をし、その際被告人に不利益な証言までも強いられるという例も少なくはなかつたのである。これは証言の全面的拒否[#「全面的拒否」に傍点。28-10]を規定して、それを部分的に拒否[#「部分的に拒否」に傍点。28-11]し得るということに対して明確な考え方がなかつた結果であると思われる。如何に考えても有利な証言まで拒否し得るというのは合理的なものとはなし難い。眞実の有利な証言はこれを得ることが、被告人のためにも裁判の公正のためにも望ましいことである。本案においては、[#「、」は原文では1字アキ。28-14]証人の取調については、尋問の一つ一つに対して異議を申し立てる権利を認めたのであるから、弁護人その他の者の異議申立により、証人が自己と親族の関係にある被告人に不利益な証言を強いられるということは充分に防止され得るのである。このような考えから、本案においては、第百四十六條、第百四十七條において「自己又は自己と特殊の関係にある者が刑事訴追を受け又は有罪判決を受ける虞ある」証言のみについて拒否権を認めることとしたのである。
次に本案第百四十九條は、前述した押収、搜索の章における第百五條と並んで、特殊の業務に從事する者の証言拒否権についても規定の趣旨を合理的なものたらしめたのである。
二 宣誓制度の合理化(一五四、一五五)
現行法第二百一條、第二百二條においては、宣誓させないで尋間すべき証人の種類を極めて廣範囲に規定していた。その趣旨を察するに、これらの証人はどうせ多少の嘘又は不正確な証言をするであろうから、むしろ宣誓させないでこれを尋問し、虚僞と眞実との混合した証言中より、裁判官が眞実を発見しようというに在つた如くである。然しながら多少なりとも僞証を認容するが如き制度は、合理的なものとはいい難い。一方において不利益な証言はこれを拒否することを認め、他方においては証言する者に対して眞実を期待し又要求することが正しいと思われる。殊に從來の理論においても、宣誓した上の証言と宣誓せざる証言との間には、証拠能力、証明力等において、法律上何等の差異はなく、宣誓せざる証言のみを証拠として有罪を認定することも可能であつたことを思えば、ある種の証人に対しては宣誓をさせてはならないという理由が極めて乏しいといわなければならない。以上の如き考慮から、本案においては、宣誓の趣旨を理解し得ざる者を除き、すべての証人に宣誓を命ずることとしたのである。
三 証人を充分に審問するの権利(一五七乃至一五九)
本案は、証人が裁判所外において尋問される場合に関し、立会権、尋問請求権をあらたに規定した。この三ヶ條は読んで頂けば趣旨自ら明瞭であると考える。
四 証人に対する罰則の強化(一五〇、一五一、一六○、一六一)
既に繰り返し述べた如く、新制度の下においては、証人が重要な証拠となる事実に鑑み、不出頭、不合理の証言拒否等について從來よりも重い制裁を科し得ることとしたのである。なお、過料の制裁の裁判に対しても抗告の途が認められているのである(四一九、四二九)。
第十二章 鑑定
本章には、三つのあたらしい規定が設けられた。
(一)は第百六十七條の留置状 (二)は第百六十八條の許可状であり、この両者は應急措置法にも規定されていなかつたものである。この種の重要な処分に令状主義を徹底しようという考えに基くものである。 (三)は、本章においても身体檢査を特別に規定し(一七二)、人権の保護に愼重を期したことである。
第十三章 通譯及び翻譯
本章については、あたらしい点はない。
第十四章 證據保金
本章は、全然あたらしい規定である。趣旨とするところは第百七十九條に明瞭であるように、被告人、被疑者が公判において使用すべき証拠を公判前に裁判所に請求して保全することを認めたのである。
第十五章 訴訟費用
本章においては、第百八十一條第三項の改正を注意せられたい。これは檢察官のみが上訴を申し立てた場合に、その上訴が誤つていたことより生じた訴訟費用は、これを被告人に負担させることができないとしたのである。
これと関連して、第三百六十八條乃至第三百七十一條においては、檢察官のみが上訴してその上訴が誤つていた場合に、費用の補償を規定したのである。
目次へ
第二編・第一審へ
第三編・上訴へ
第四編・再審ほかへ
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