輪行マニュアル
原作者:井上 智章(28th) 
改訂者:丸山 拓馬(30th) 

輪行(りんこう)とは、自転車を公共交通機関(鉄道・船・飛行機など)を使用して運ぶことです。ほとんどの場合、決まりでそのまま持ち込めないため、分解し、輪行袋という専用の袋に詰めて持ち込みます。なぜ袋につめて持ち込まなければいけないのでしょうか?一番の理由は、他の乗客に迷惑をかけないためです。あなたの自転車を見てください。チェーンやギア周りは黒い油でベトベトでしょう。それが服に付いてしまったら取れません。袋に入れなければ行けない一番の理由はそれです。
ハンドル、ギア、サドル、自転車には様々な突起があります。引っ掛ける恐れを減らすためにも、可能な限り自転車は袋に入れましょう。また、ただでさえ大きくて邪魔な自転車。分解して小さくすることで少しでも一般の利用者の邪魔にならないようにしましょう。迷惑をかけない輪行の仕方は後ほど紹介します。

また、輪行の第二の理由としては自転車の損傷を減らすことも忘れてはなりません。機械部分が露出していたり、無造作に固定されていればそれだけ自転車は傷つき、壊れやすくなります。自転車が壊れてプランに参加できない、といった事態を避けるため正しい輪行処置を取りましょう。他にも輪行の目的はありますが、それらはケーススタディで紹介します。

<目次>
・第一章:輪行の心得
ジョイナスも大規模化し、大人数が同時に輪行する姿が多く見受けられるようになりました。巨大な 荷物を持った集団が公共交通機関に存在することは果たして許されることなのでしょうか?輪行する 際の注意点を紹介します。

・第二章:基本的な輪行処置@
輪行によって生じる様々な機械的トラブルを防止するため、正しい手順を紹介します。固定が重要です。

・第三章:基本的な輪行処置A
輪行した自転車を、走れる状態にする手順を紹介します。その際に起こりがちなトラブルの対処法を紹介します。原則として、自分の自転車は自分の責任で直しましょう。集合地の駅で自転車修理を人任せにするジョイナサーが居なくなってくれることを願います。

・第四章:電車における輪行
場所別の正しい輪行手段で、第一章の延長上にあります。駅構内、車両内での扱い方に触れます。

・第五章:特殊な輪行
 主に飛行機輪行を紹介します。夏合宿や春合宿で多用される手段ですが、たいへん危険で、リスキーな輪講手段でもあります。また、飛行機にも積める台数に限界があり、輪行に対する航空会社の対応が変化してきました。ここでは飛行機輪行に対する理解を深めていきます。

第一章:輪行の心得

第一項、輪行は邪魔である
   輪行は確かに決まりでは許されている行為ではありますが、一般の利用者にとっては邪魔で危険なものでしかありません。特殊な交通機関利用ですから、大多数の人は輪行の存在すら知らないのです。ですから輪行は安易に利用すべき手段ではない。ことをあらかじめ述べておきます。
体調は事前に可能な限り整えておきましょう。自転車は整備して故障しないように努力しましょう。合宿前に少しくらい体は慣らして起きましょう。まずは輪行しなければいけなくなる機会を減らす努力をしましょう。 全走は一つのオプションです。最近集合場所に全走する人数が多くなったと感じられますが、輪行による公共交通機関に対する迷惑を主眼に置くならば、これはいい傾向であると言えます。


第二項、周囲に配慮する
とはいえ、輪行なしではジョイの活動は語れません。時・場・機会をわきまえた行動によって周囲にかける迷惑を減らすよう心がけましょう。ひいてはそれが自分・自転車への負担を軽減し、トラブルの回避、そして楽しいサイクリングへと繋がります。

@時間に余裕を持つ 
発車時刻の30分前には輪行処置を開始する程度でなくてはなりません。後発の電車を待つことで自転車を良い場所におけるというメリットもあります。

A混雑する時間帯を避ける  
 平日朝の七時から九時のラッシュアワー、夕方時など満員電車の中に自転車など持ち込めたものではありません。絶対に避けましょう。いつ、どこで混雑が起こるかは自分で考えて行動してください。

B迷惑のかからないスペースを選ぶ
 輪行する場所は人が通らず、広く、平らな場所が適しています。間違っても駅のホーム近くで輪講しないようにしましょう。また集団で行うときは隅っこに並べて邪魔にならないように。

C輪行にふさわしくない交通機関は避ける 
 多くのバス、とりわけ夜行バスではそもそも自転車の持ち込みが禁止されていますし、無造作に扱われるので破損の危険があります。また狭いバス車内自転車を持ち込むのも非常識です。いつぞや輪行でバスを占領したことを笑い話にしていた記憶がありますが、そのような事態に陥ってしまうような不完全な計画では困ります。

D大人数で輪行しない。
 女性グループに多いです。群れたいのは分かりますが、非常に邪魔です。また、やむを得ない場合でも行動は一緒でもいくつかの車両・ドアに分散して行動すべきです(後述)。

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第二章:基本的な輪行処置@

第一項:用意するもの

@輪行袋Aエンド金具B紐3つC軍手( 百均のマジックテープ)D工具:アーレンキー(4&5mm)プラスドライバ

第二項:分解する

@ギアを前3×後8に入れる
 分解とは主にホイールを外し、フレームに固定する作業です。ホイールを外す事前の作業としてギアを3×8にしておくと、輪行袋を傷つけず、後輪の脱着が容易になります。自転車を停める前に行うと良いでしょう。


Aブレーキを解除する。
ブレーキに掛かっているワイヤーを外し、ブレーキを開かないとタイヤが外れません。ブレーキが外れない!?と思ったらそれはワイヤーが張り過ぎです。→インデックス調整
※インデックス調整とは、ブレーキレバーの根元にあるアジャスターを回してワイヤーの張りを調整することです。


Bホイールをはずす
自転車本体からホイールを外します。”クイック”と呼ばれる軸を緩めることによって外すことができます。前輪と後輪で勝手が違うので別々に紹介します。この作業で自転車をひっくり返すと楽です。
<前輪>
クイックのレバーを起こし、ネジ側を緩めて抜きます。


<注意!>
前輪のクイックを紛失する事例が多発しています!
前輪を外した後、クイックが外れないよう、少し締めるようにしましょう。本来、クイックは外れるほど緩める必要はなく、きちんと輪行していれば落とすことはありえないはずです。31期の輪行袋は下が開いているので、注意が必要です。



<後輪>                               
クイックのレバーを起こします。リアディレイラーをを片手で引っ張りつつホイールを引き上げます。


後輪はネジを緩める必要はありません。 あとはチェーンを外すだけ。
外したホイールは邪魔にならないようまとめて置きましょう。
輪行のポイントは
1:ギアをきちんと3×8に入れること。
2:クイックを正しい手順で緩めること。
3:後輪はディレイラーを片手で少し起こしてやって軽く引き抜くこと でしょうか。そんなに難しくありません。

Bエンド金具の装着【重要】
29期の使用している超速FIVE等の後輪をはずさないタイプには必要ありません。ですが後輪を外すタイプの輪行なら必ず装着すべきです。
もっていない人は必ず買いましょう。
エンド金具の目的として 
T:フレームの保護・・・後輪を外したフレームは意外なほど横の力に弱い。
U:リアディレイラーの保護・・・エンド金具が出っ張ることによってリアディレイラーが直接地面に触れることをある程度ですが防ぐことができます。

※ キャリアが付いていなければ、エンド金具とサドルの二点で縦置きができるのですが、ジョイナスの自転車はキャリアが付いてることが前提なので、どうしても微妙にディレイラー(プーリー部分)またはエンド金具とキャリアの二点支持になってしまいます。自転車のサイズによって異なりますが、電車が混雑している場合を除いて横置きしたほうがよさそうです。

なおエンド金具未装着の状態での縦置きは厳禁です。

               




エンド金具は携帯しやすいよう出来てるので、開いて、順番どおりに入れて組み立てます。


後輪位置に入れる。向きに注意。キャリア付いてるから本来の位置とは違います。


第三項:組み立てて袋に入れる
本番。使う輪行袋によって手順が違います。また自転車の種類、サイズによってベストなやり方が違ってきますので、各自で技術取得してください。ただし原則として
1、できるだけ袋に入れる。
2、壊れないように正しく、固定する
の二つを守ってください。序章で述べた原則に対応するものです。

D28,30期の輪行袋
前後輪外すタイプの輪行袋です。ポイントは
1、リア部分を保護すること
2、ホイールを固定すること  です。
輪行袋を地面に置き、その上に自転車を置き、袋をとじます。袋のどの部分に自転車を置くべきなのかは、自転車によって違いますし、経験によってしか学べないので各自試してください。なお、キャリアのところにヘルメットがスッポリ入ります。お試しあれ。それと、、ボトルの中身は抜いていきましょう。軽くするためと、電車内で漏れたら大変です。
輪行袋内部に二つスリットが入っています。そこにホイールを入れ自転車に立てかけます。
注:二枚目はわかりやすいように輪行袋を外しています。

紐でホイールと自転車本体を固定します。現状のジョイナスでは紐を一つ、前ギアの周辺にしか使っていませんが、最低三点で固定すべきです。
固定場所は

@前ギア付近


Aボトル入れ付近


Bサドル根元付近



などがあります。自転車のサイズによって違うのですが、ホイールがビクともしなくなるように締め上げてください。これができていない人が非常に多い!輪行袋の中でホイールが自由に動いてしまうと、フレームを傷つける原因となるだけではなく、ホイールが破損する可能性を高めることになります。

輪行袋に穴があいてますが、肩紐を通す穴です。袋の中の自転車に固定した後、袋の外に出して肩にかけます。短く調整したほうが楽です。


輪行袋のジッパーを締める前に、コツがあります。輪行袋の後ろ側のタルみを取りながらジッパーを締めていくと不恰好になりません。

ペダルをスポークの間に入れてませんか!?
本来ならペダルは外すべきなのですが、メンドクサイしそれはしょうがない。でも、ホイールを入れるとき、ペダルをスポーク(ホイールの針金部分)の間に入れると大変なことになります!衝撃で動いたペダル部分がスポークを圧迫してスポークが曲がってしまいます。スポークが曲がるとホイールはまっすぐ進みませんし、一本曲がると次々に破損していきます。輪行のときに限らず、自転車を重ねて入れるときもペダルをスポークの間に入れないようにしましょう。


厳禁。マジで厳禁。


完成形です。

E29期の輪行袋(超速FIVE輪行袋)
後輪を外さなくていいため、技術的に容易で、楽な輪行袋ですが、とにかく大きい輪行袋です。もし使うのなら、後輪を外さなくてよいというメリットを生かし、縦置きして下さい。

☆やり方については、特に載せる必要性を感じなかったので、割愛します。


F31期の輪行袋
下から包むのではなく、上からかぶせる形の新しい形の輪行袋です。コンパクトに折りたためるにも関わらず、キャリアを付けたままでもハンドルまで入るというメリットがありますが、その分注意点が多く存在します。基本的な処置は上記と変わりませんが、ここでは31期の輪行袋の注意点について解説します。

T.クイックの紛失に注意!
先ほどの注意を転載します。大事なことなので、2度言いました。

前輪のクイックを紛失する事例が多発しています!
前輪を外した後、クイックが外れないよう、少し締めるようにしましょう。本来、クイックは外れるほど緩める必要はなく、きちんと輪行していれば落とすことはありえないはずです。31期の輪行袋は下が開いているので、注意が必要です。

こうなるとクイックはさよならです…



U.ホイールの固定はシビアに!
今までは固定がしっかりできていなくても、部品が落ちる心配が少なかったので、ホイールの固定についてしっかり指導が行きわたってなかったのですが、下に巨大な穴があいている輪行袋となると事情は変わってきます。本体付属の紐が3本あるので全て活用しましょう。
<オススメ>
スプロケット(後ろギア)を外側に向けて固定すると、スプロケット側で持つことはできなくなりますが、フレームを傷つけることはなくなります。輪行するときに身体のどちら側で持つかすでに決まっている人に勧めます。もちろん、スプロケットを軍手などでカバーすれば傷つけるなどの心配はありません。

このときは自転車の左側で持つのがいいですね。改札を通る時は右手で切符を扱うため、左手で自転車を持つのが良いので、ハンドルを後ろにして輪行するといいですね。

V.肩にかける紐の結び方
バンドは次のように使いましょう。

初期状態。

ここから輪を作り

紐の一端をフレームに通します。

フレームに通した紐は最初に作った輪の中に入れましょう。

あとは締めあげてできあがり。

後ろは、後輪ブレーキの近くにある三角形の空間に通すと安定します。

袋をかぶせたら完成。

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第三章:基本的な輪行処置A

自転車を分解して袋につめるのを輪行といいますが、逆に自転車を袋から出して組み立てるのを 輪行解除 と呼びます。この章では輪行解除のやり方を教えるとともに、組み立てたとき「あれ?自転車が上手く動かない。」といったトラブルシューティングに対応します。

@袋から出す
当たり前の工程ですが、注意点が一つ。自転車を組み立てますから邪魔にならない場所で行いましょう。'07の追いランや'08の秋合宿では駅前に自転車が散乱して酷い有様でした。安全で余裕のある場所を選ぶことも大事です。

Aホイールを入れる
<前輪の場合>正しい向きで入れること。確実にクイックを閉めることを行ってください。
特に前輪のクイック固定は確実に行ってください。重大事故につながります!

<後輪の入れ方>
エンド金具は後輪を外す要領で外し、携帯用にばらして下さい。チェーンのバンドも外します。

チェーンをくぐらせ、根元側のプーリーにギアをおき、先端側のプーリーを上に引っ張るとストンと落ちます。軽く上からホイールを押してはめます。ガチャガチャしない。

Q:後輪が上手くはまりません
A:正しいギア位置ではめてますか?
ディレイラーの位置は後輪ギアに対応しています。輪行するとき8速に入れたので、8速のギア(一番小さい歯車)の場所におくようにしましょう。正しい位置ならば、ディレイラーを少し起こすだけでストンとはいるはずです。無理して後輪を押さえつけて入れないようにしましょう。また輪行している衝撃で変速が変わってしまうことがあります。そういう時は焦らず何速に入ってるか確認し、ディレイラー位置に対応した後輪ギアを引っ掛けてはめるようにしましょう。

◆補足:リアディレイラーと後ろギアの関係


Aブレーキをセットする【重要】
タイヤを外すために外したブレーキを再び装着します。絶対に忘れてはいけません。外すのと同じ要領です。多くのトラブルがこの段階で発生します。

Q:ブレーキが擦ってます!!
A:まずはホイールをはめ直して。
ブレーキ調整はそれから。
ブレーキをかけてもないのに、ブレーキがホイールに当たっている状態を”擦っている”と言います。かすれる程度のものから全くタイヤが回らないものまで様々。「ブレーキ調整しなきゃ駄目なの!?助けて」と言いたくなるところですが、少し待って。タイヤのはまる位置は左右1ミリも違わずピッタリというわけではありません。左右のバネで均衡を保ってるだけなので左右にずらして固定することが出来るのです。寄せたい側にホイールを動かしたままクイックを閉めてみてください。ホイールを回し、ブレーキを何度か引いてそれでも擦る様だったらブレーキ調整を行ってください。

Q:ブレーキに手ごたえがない。
A:フレームにアウターケーブルがちゃんとはまってる?
手元からブレーキまで丁寧にたどって見ましょう。フレームに掛かっているアウターワイヤー(黒いケーブル)が外れてたりしませんか?

B異常がないか確認する
走り出す前にブレーキは正常に効くか、変速に異常はないかスポークが破損してないか異常がないか必ず確認しましょう。

Q:変速がおかしい!?反応しない!
A:チェーン外れてね?チェーンが外れることはよくあります。前ギアを良く見てみましょう。

Q:破損した\(^o^)/
A:\(^o^)/ソッコーでプランナーに連絡。二次被害を防げ。自分で自転車店は調べておくべき。詳しい人に連絡を取ったりするのは最終手段で。その人も忙しいのだ。

C輪行袋をたたむ
欠品が出ないように丁寧に畳みましょう。
これが下手なやつは部屋が汚い。(これは名言ですね。)

上手く畳めない人へのヒント。


31期輪行袋の畳み方。あまり変わらないけど。

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第四章:電車における輪行

第一項,、改札の通り方
 左肩で運ぶ主な理由が、改札です。多くの改札は右利用に作られているので、左手で自転車を持ちつつ、右手でSuica・切符を切ることができます。なお、改札の幅は人間+自転車の幅より狭く作られているので、自転車を体の前に持ちあげて、脚で押し出すように運ぶとぶつけずに済みます。
 そんなことをしなくても、駅員に一言「荷物だけ先に置かせてください」といえば通してくれます。特に夏合宿等、サイドバッグ持ちで両手がふさがっている時は遠慮せずにお願いしましょう。

第二項、自転車を置く場所
@普通電車の場合


A特急、新幹線の場合

赤丸の部分:座席一番後ろはフリースペースになっていることが多い。自由席でここを狙っていくと良い。

青丸:出入り付近:置けて一台くらい。通路にはみ出さないようにすること。



第三項、自転車の置き方
可能な限り端っこに寄せ安定させ、振動などで倒れないように紐をどこかにくくりつける、この点を必ず守りましょう。また、自転車の近くに居ることも必須です。
駅員さんの指示には必ず従いましょう。

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第五章:特殊な輪行

第一項:飛行機輪行
飛行機にも自転車を手荷物として持ち込むことができます。ただし、係員が正しい自転車の扱い方を知っているわけもなく、繊細な扱いを期待することなどできません。逆さにして置かれていたなんてのはまだいいほうで、貨物室に押し込められる、投げられ運搬されていると想像したほう良いです。事実毎年飛行機輪行でのトラブルが報告されています。ディレイラーが曲がった、車輪の軸が曲がった、ワイヤーが切れた・・・など相当リスキーな手段であることを肝に銘じておくべきでしょう。

@メンテナンスをしておく
 事前に整備をしておくことで破損の危険はぐっと縮まります。整備の意味合いもかねて確実に行いましょう。

A入念に梱包する
 基本的な輪講手段を守ることは絶対です。特に固定を確実に。以下で、発展的な処置について紹介します。

A・・・ダンボール・梱包剤で覆う
 フレーム・ホイールを覆うようにダンボールを掛ければ衝撃をずいぶんと和らげてくれます。手軽でお勧め。
B・・・ハンドル部分を覆う
 ブレーキレバー・シフトレバーが袋からはみ出している場合は必ず行うべきです。そもそも精密な部分ですし、突起が多いのでどこかに引っかかって破損することが多いです。タオル等でぐるぐる巻きにした後ゴムひもで固定すると余計な荷物が出ません。
C・・・ハンドルを固定する
 ハンドルが動く場合はゴムひも等をフレームに巻きつけて固定することでワイヤーが切れることを防止します。Bの処置と兼ねて行うと良いでしょう。
D・・・クイックを外す
 ホイールからクイックを引き抜き、別場所に保管します。クイックとはホイールを外すときに緩めるレバーのやつで、ひたすら緩めていくと外れます。バネを無くさないように。なお、外したホイールの軸付近をテープか何かで覆っておけば完璧でしょう。
E・・・ペダルを外す
 ペダルの内側を見てみましょう。もし六角形の穴が開いてればアーレンキーで外れます。付いていない場合はペダルレンチというものが必要になりますが・・・。回す方向に注意してください。外したペダルは無くさないように。正当な輪行なら行うべき処置ですが、ジョイナサー全員に薦めるのは無理なので。
F・・・ディレイラーを外す
 根元の部分をアーレンキーで緩めるとディレイラーを本体から外すことができます。その後、ブラブラ釣り下がっているそれをタオル等で本体に巻きつけて固定しておけば壊れることはまずありません。その後の取り付け・調整に気を使いますが、最も壊れやすい部分を保護する手段として験す価値は十分にあります。

最低でもA〜Cまでは行って下さい。そんなに時間もかからないと思いますし、技術的にも簡単です。ちなみに、タイヤの空気を抜かなければいけない、というのは迷信です。タイヤ内の空気圧上昇は1気圧弱であり、相対的に小さいので。限界ギリギリに空気を入れている人はいないでしょう。不安な人は少し抜いておきましょう。
また、30期の輪行袋のように、サイズが小さくて自転車を入れるのに苦労する場合、キャリアを外してフレームとホイールの間に入れなければなりません。このとき緩衝材を入れないと自転車が傷だらけになってしまうので、注意しましょう。フォーク部分がどうしても入らない場合は、輪行袋の袋やその他の袋を被せましょう。
本気になって輪行すると、所要時間が1時間弱に及ぶこともあります。飛行機輪行をする際は、あらゆる場所を守るために時間をかけて輪行するようにしましょう。


B万一に備えて
 それでもなお危険が付きまとうのが飛行機輪行です。いざ壊れてどうしようも無くなったときの場合に備え、自分で対応策を準備しておきましょう。
周辺の自転車店についてかならず下調べをしておくこと。 壊れても他の誰かが直してくれると思ってませんか?自分で自転車の管理もできない人、そうならないようにと努力しない人に飛行機輪行などする資格はありません。行動不能者が出ればプランナーは緊急で対応を練らなくてはいけなくなります。ただでさえ大変なプランナーに無用な負担をかけられますか。せっかくの待ちわびた合宿の集合日に、他のジョイナサーの怠慢の尻拭いに一日中負われる人の身にもなって考えてください。
周辺の自転車店を調べるにはYahoo!地図検索が便利です。空港を検索し、地図で表示した後、左側の周辺検索に”自転車店”と入力すればマップに場所が表示されます。http://map.yahoo.co.jp/

第二項:サイクリングヤマト便
自転車を宅急便で送る方法です。詳しくはググるか、http://homepage3.nifty.com/serena55/wakaba/wkb_yamato.htmを参照。ただし、破損のリスクが大きいです。飛行機輪行と同様厳重に。行きよりも帰りで使うべきでしょうか。制度的に相当いい加減なので、かならず電話で問い合わせておきましょう。
<注意>
現在では、サイクリングヤマト便を使うためには日本サイクリング協会の会員になる必要があり、年会費4000円+サイクリングタグ取得費1000円がかかります。
参照:http://www.j-cycling.org/ctag.html
かなりコストのかかる運搬方法となってしまったので、頻繁に送ったり、どうしても輪行がイヤだったりしない限り推奨はできません。


C搭乗手続き
航空会社によるので詳しいことはいえませんが、搭乗窓口にチケットを持って行き、手続きします。そのとき、もしくはその後の荷物預かり手続きの際に、自転車を積むことを言いましょう。「破損しても一切文句言いません」という誓約書にサインさせられます。
天地無用のシールがあるか聞いて、あるなら必ず張ってもらいましょう。
ボトルは自転車に差したままでもいいですが、中身は必ず抜きましょう。
また、荷物をX線検査しますが、大きい自転車はその機械に入らないために袋を開けるように指示されることがあります。 サドルバッグの中の工具まで見られることも多々あります。自転車に詳しい係員に出くわすと、ゴムのりを没収されることもあります。(気圧が低い場合、ゴムのりの粘性が低くなって液状化し、漏れ出すことがあるそうです。)

<注意>
最近では、輪行するサイクリストが増えたせいか、輪行に対する目が厳しくなりつつあるかもしれません。当日の便の荷物の集中度によっては輪行を断られる可能性があり、飛行機輪行は制度面でもリスキーな輪行手段となりそうです。飛行機を利用する際は、参加者同士じょいちゃんねるなどを利用して、特定の便に集中しないよう工夫しましょう。1便当たり5人が目安です。


あとがき
この輪行マニュアルは、
@31期に正しい輪行手順を伝承する
ともに、
A現在、上級生でも不完全な人が多いジョイナスの輪行を再び是正する ため、
ため、著したものです。また、
B機材・輪行袋の変化により、再びその手順を問い直すきっかけを与える
ことも意図して執筆し、ある部分(肩紐など)では曖昧な紹介に留まっています。

そして、できる限り吸収しやすいように画像を多く使いました。しかし、たとえ丁寧に紹介したところで、実際に験してみることには到底及びません。ですので、この輪行マニュアルで紹介したことをベースに各人が工夫を凝らしてみてください。自分から積極的に行動し、輪行にかかる負担・トラブルを軽減しジョイナサーがプランを少しでも楽しめるよう願っています。

改訂者あとがき
この輪行マニュアルは、28期の井上さんが作成したものをベースに、新たなタイプである31期の輪行袋についての記述や、飛行機輪行についての記述を補充する形で作られました。現在において一般的な輪行の注意点は述べたつもりですが、機材・輪行袋・社会環境など常に変化しているので、不都合が生まれたらその都度改訂するようにしてください。
   輪行中には様々なトラブルが発生します。しかし、基本的な輪行の方法を押え、トラブルの代表例を知ることで、対処可能な範囲は大きく変わるはずです。全てのジョイナサーが自分ですべきことをこなせるようになると、自転車サークルとしてもっといいサークルになるのではないかと思います。1年生だけではなく、上級生も参考できるところは参考にして、輪行に対する理解を深めていきましょう。