○日:平成24年2月1日(水)〜5日(日)、4泊5日。
○参加者:吉宮隆彦(D)・みつえ、半田秀夫(G)・幸子、柏田洋征(I)・光江、
檀上正泰(I)・真寿美、河井征治(G)、神谷捷代(非会員)、以上10名。
○行程
・2/1(水):羽田ー台北、泊。
・2/2(木):台北ー台中、宝覚寺、日月潭、文武廟ー台南、赤かん楼、延平郡
王祠ー高雄、蓮池タン、高雄泊。
・2/3(金):高雄、澄清湖ー台東、三仙台、八仙洞ー花蓮、アミ族の民舞踊ショーを見学、花蓮泊。
・2/4(土):花蓮ー太魯閣峡谷ー九フンー台北、忠烈祠、泊。
・2/5(日):台北、故宮博物院ー台北ー羽田。
(はじめに)
○本会も会を重ねること13回目を迎え、今回次の2点において新しい試みを図った。
(1)過去12回はすべて国内であったが、今回初めて海外とし、「台湾」を選んだ。
(2)過去12回はすべて当会自身が企画・運営する自賄い旅行であったが、
今回初めて旅行会社が企画・運営するツアーに参加する形をとった。
上記の結果、日本円が対米ドルで大幅に上昇している状況下、台湾ドルが米ドルにリンクしているため台湾ドルに対しても大幅な円高になっていること等から、1人あたり費用が4泊5日でわずか7万円程度と極めて割安であった。
○旅行を通じて素晴らしい自然を堪能できたのみならず、永く深い歴史、文化、そして日本との親密な関係、さらに台湾の人が日本人に対して抱いている暖かい心情なども感じることができ、我々にとって意義深い旅行であった。
○今回も前回と同様、柏田洋征さん(雅号:浪雅)の俳句を中心としつつ振り返ることとしたい。
(初日:2月1日<水>)
○羽田から台北に着きバスに乗り込むと、今回5日間我々を案内してくれたキュウ寶治さんのお出迎えを受けた。彼女は京都に3年間在住し、日本語学校に1年、成安女子短大に 2年在籍したことがあるため日本語が堪能であるだけでなく、案内役としての知識が該博 であり、今回充実した旅行となったことについては彼女に負うところが非常に大きかった。
(2日目:2月2日<木>)
○バスで台中へ移り、宝覚寺にてお参りをする。黄金色に輝く大仏は高さ30m、柔和でおおらかな笑顔をたたえている。当寺には、当地で亡くなられた日本人12,000人分の遺骨が納められており、全員彼らにお祈りを捧げた。
「つばめ来るふた尋ほどの遺骨廟」浪雅
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宝覚寺の大仏前にて。
左から吉宮夫人、半田夫人、キュウさん、半田さん、吉宮さん。 |
○次いで日月潭(にちげつたん)へ移る。湖の形が日と月に似ていることから名付けられた湖で、時々刻々彩りを変える青く澄み切った湖水が素晴らしい。「十和田湖にそっくり」 との声多数。
「来歴の碧湖に春のきざしかな」浪雅
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日月潭
青く澄み切った湖水が素晴らしい。 |
○次いで台南に移り赤かん楼(せっかんろう。オランダ人によってつくられた赤レンガ造りの城)と延平郡王祠を巡る。後者は、台湾をオランダから奪還した国民的英雄・鄭成功(ていせいこう)を祀るが、彼は長崎・平戸に生まれ、母は日本人。近松門左衛門の「国姓爺合戦」の主人公として有名。
「鄭成功は心優しき
−−春浅き倭国の磯に生れ給う(あれたまう)」浪雅
○台南から高雄へ移る道中、キュウさんのお話によれば台湾の発展に日本人が大きな貢献をした由。例えば八田与一(はちだよいち)さんは長年の努力が実って二期作を成功させたほか、羽鳥又男(はとりまたお)さんは台南市長として良い行政を行われた結果、胸像が建てられ、今も市民から尊敬の念を払われている、等々。我々一同、大先輩らの偉業に改めて敬意を払うとともに、彼らの存在が台湾の人々の日本人に対する好意、親近感の土台になっていることを再認識した。
(3日目:2月3日<金>)
○高雄市内の澄清湖を散策した後台東の花蓮へ向かうが、途中で売っている釈迦頭(シャカトウ。果物)が我々には珍しい。
「果物好きの吉宮夫妻なれば
−−釈迦頭を截ち割りて食ふ春夜かな」浪雅
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澄清湖にて
左より檀上、吉宮、半田、柏田各夫人。 |
○花蓮では先ず三仙台に行く。3人の仙人の伝説が残る岩が並んだ景勝地で、龍が渡るようにも見える独特の橋が興味深かったが、風が非常に強く波が荒く、人が波にさらわれたこともある。
「海峡を越えてきたりし 春ならひ」征治
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三仙台にて
左より吉宮夫妻、河井、半田、柏田夫妻。 |
○次いで訪れた八仙洞は2〜5万年前に海底の洞穴がそのまま隆起したもので、現在は霊巌寺という寺になっている。
「春風や 仏のおわす巨き洞」征治
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八仙洞にて
左より吉宮夫人、半田夫人、檀上さん。 |
○花蓮のレストランで台湾料理の夕食をとったあと、先住民アミ族の踊りをみたが、飛び入り参加された半田ご夫妻と吉宮夫人の楽しそうな笑顔が素敵だった。
「半田夫妻と吉宮夫人
−−踊る輪に入りて引かれて春の歌」浪雅
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アミ族の踊りの輪に入って楽しそうな半田ご夫妻。 |
(第4日:2月4日<土>)
○花蓮より台湾最大の景勝地・太魯閣(タロコ)峡谷へ行く。ここは永い歳月をかけて急流が山を削ってつくった約20kmの大理石の断崖絶壁が圧巻。我々は212名の殉職者の名が刻まれた大理石の碑にもお参りをした。
「岩肌に故人の思ひ春霞」征治
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太魯閣峡谷にて
深く削りとられた峡谷を背景に全員で。 |
○台北市内に戻り、忠烈祠での一糸の乱れもない衛兵の交替式を見る。
「式挙措に直線おほしつばくらめ」浪雅
「若き衛兵の眉の清しき春日かな」征治
○夕食会は、二人連れの相方が急遽入院されて一人になられた神谷捷代(かみたに かつよ)さんにもお声掛けし、10名で楽しく現地打ち上げを行った。
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最後の夕食会で現地打ち上げ。
後列右から3人目が神谷さん。 |
(第5日:2月5日<日>)
○午前中、世界四大博物館の一つ、中国歴代の皇帝が収集した絵画、陶磁器、銅器、書籍等約70万点を所蔵する故宮博物院を見学した後、感動、感激の連続であった5日間の旅を終え、帰国の途に着いた。
「蒋介石総統は
−−紫禁城模して将たり春の月」浪雅
(旅行愛好会幹事・河井征治 記) |